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新宿鮫 新装版(4)
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新宿鮫 新装版(4)
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商品レビュー
4.2
23件のお客様レビュー
気に入ったシリーズの各作品をランダムに愉しんでいる。これも凄く愉しかった。 「訳アリ」な鮫島警部が奔走し、事件の解決を目指すという<新宿鮫>シリーズである。近年の作品を読んでいないと手を着け始め、随分以前に読んでいた可能性も在る作品に辿り着いたが、一度読んでいたかもしれないにして...
気に入ったシリーズの各作品をランダムに愉しんでいる。これも凄く愉しかった。 「訳アリ」な鮫島警部が奔走し、事件の解決を目指すという<新宿鮫>シリーズである。近年の作品を読んでいないと手を着け始め、随分以前に読んでいた可能性も在る作品に辿り着いたが、一度読んでいたかもしれないにしても、記憶が曖昧になっているので、新たに出会うのと同様に愉しく読んだ。映像ソフトが少し入手し悪くなっているように見受けられるが、本作を原案とするテレビドラマが在ったことも憶えている。 <新宿鮫>シリーズは、主人公の鮫島の目線で綴られる部分と、作中の事件関係者等の目線で綴られる部分とが適宜交わりながら進むのが通例である。現在時点では「比較的初期の…」と呼び得る本作も、そういう方式が採られている。本作は、鮫島、交際しているロックバンドのボーカルの晶、地方の街にある彼女の嘗てのバンド仲間、バンド仲間の在る街で大変な影響力を有する地方財閥関係者と、「様々な人達の各々の物語」が作中の事件を交差点にして交じり合いながら展開する感である。 物語の冒頭は新宿の街中からである。 鮫島は不審な少年グループを見張っている。少年グループ側も周辺を警戒している様子が見受けられ、鮫島も慎重に様子を伺っている。違法薬物と見受けられるモノの密売をしたという様子が見受けられ、鮫島は彼らを捕えようと駆け寄る。格闘も交えて、鮫島は負傷もしたが、グループの1人を取り押さえる。逮捕した少年が所持していたモノの中から、錠剤が出て来た。10代の若者等の間で流行りつつある代物で「アイスキャンディー」という通称だった。この錠剤は、微量の覚醒剤成分を含む危険なモノであった。 鮫島はこの「アイスキャンディー」の事案に取組んでいたのだ。逮捕した少年が通称「アイスキャンディー」を売り捌くようなことをしていたことから、入手先を聴取し、その入手先の人物を監視し、何とか流通ルートを暴き出そうとしていたのだ。 鮫島は、少年が自白した、少年に通称「アイスキャンディー」を売ったという人物を監視し始めるが、麻薬取締官に出くわす。麻薬取締官達も、この「アイスキャンディー」の事案に取組んでいた。異なる捜査機関の思惑がぶつかり合うこととなって行く。 他方、或る地方から出て来た偽名を名乗っている男が在って、新宿を本拠地とする暴力団の幹部とやり取りをしている。密かに「アイスキャンディー」を流通させようとしているのだ。そして、当初は安価で流通量を増やそうとしていたものの流通量を絞り込み、値上げを図るような思惑と、随意に必要量を得て利益を増やす思惑とがぶつかり合って行くこととなる。そしてこの偽名を名乗っている男の複雑な背景が在る。 そして晶は、大きくヒットしているのでもないバンドのデビューアルバムのプロモーションも兼ねて地方公演に出るのだが、その途次に単独で或る街を訪ね、嘗てのバンド仲間と再会し、嘗ての仲間が携わるライブハウスを訪ねようとしていた。が、各々の道で各々が活動していることを言祝ぐような、古い仲間の愉しい再会で終始し悪くなるような予兆が立ち込めようとしていた。 こういうようなことから展開する物語は、「続き」が気になって、頁を繰る手が停められなくなってしまう。終盤側では凄惨な闘いというような場面、複雑な想いが交錯する場面が相次ぎながら、鮫島は奮戦し続け、事件は収束する。 シリーズの各作品、何れも甲乙点け難いのだが、本作は秀逸だ。
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2巻よりは3巻、3巻よりは4巻が良くて、より話が立体的になったし、晶が拉致されることでドキドキ感はありますが、麻取りと警察の間の連携がねっとりしていてリズム感が無い。悪のドンである昇には、もっと華やかな経過や立場をつくってあげていた方が、本家に対するリベンジ感というか景子に対する...
2巻よりは3巻、3巻よりは4巻が良くて、より話が立体的になったし、晶が拉致されることでドキドキ感はありますが、麻取りと警察の間の連携がねっとりしていてリズム感が無い。悪のドンである昇には、もっと華やかな経過や立場をつくってあげていた方が、本家に対するリベンジ感というか景子に対する思いのはけ口を感じられた気がします。単にしゃぶ中とのドンパチ盛り上がりだけで、そこまで盛り上がらなくて残念な終わり方なので、1巻を超える話は、まだ出ていないと思っています。
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大沢在昌の著書はいろいろ読んでいますが、「新宿鮫」シリーズはところどころしか実は読んでいない。大沢在昌を薦めてくれた知人が「狩人」シリーズから貸してくれたのでそちらにどっぷりハマってしまい後回しになった感があります。狩人シリーズの佐江刑事とはタイプが全く違う鮫島警部のシリーズ、順...
大沢在昌の著書はいろいろ読んでいますが、「新宿鮫」シリーズはところどころしか実は読んでいない。大沢在昌を薦めてくれた知人が「狩人」シリーズから貸してくれたのでそちらにどっぷりハマってしまい後回しになった感があります。狩人シリーズの佐江刑事とはタイプが全く違う鮫島警部のシリーズ、順不同になるだろうけどこれから10作品の未読分全部読みたいと思った。本作は直木賞受賞作とのことで楽しみにしつつ読み進めた。乱闘シーンの描写がエグい。700ページ近い長編で、前半いろんな人物のそれぞれのドラマが語られ、後半に向かって主犯格に辿りついて行く、という展開でした。ラストは犯人に手錠をかけて一件落着なのだが、鮫島警部、犯人、香川家、麻取等その後を是非知りたかった。エピローグが欲しかった!面白かったけど消化不良です。
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