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遁走状態
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遁走状態
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商品レビュー
4.1
22件のお客様レビュー
「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走する― (クレスト・ブックスの帯のキャッチ) エヴンソンが繰り出す世界は、読んでいると脳みその後ろから襲ってくる。 妄想なのか現実なのか、寝ているのか目が覚めているのか、生きているのか死んでいるのか、あなたなのかわたしなのか……...
「私」は気づけばもう「私」でなく、日常は彼方に遁走する― (クレスト・ブックスの帯のキャッチ) エヴンソンが繰り出す世界は、読んでいると脳みその後ろから襲ってくる。 妄想なのか現実なのか、寝ているのか目が覚めているのか、生きているのか死んでいるのか、あなたなのかわたしなのか……。 いったいなんだ、これは! あまりに理解困難で、読み始めてから100ページほどで読めなくなった。 決して「つまらない」訳ではない。 向き合う覚悟が途切れてしまった。 すこし他の本に浮気したあと再び向き合うと、とたんにその世界に引き込まれていく。 読後に振り返ってみると、独特で比較できるものがなく面白いのかどうかすらわからない。 訳者柴田元幸氏のあとがきによると、エドガー・アラン・ポーやスティーヴ・エリクソンなどを挙げて傾向を解説している。 まだ短編であったから、ぶつ切りでも読み切ることができたけど、長編だったら「途中で放り投げる」か「没入して帰って来れない」ことになったかも。 とにかく不思議な読書体験でした。
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アメリカの作家の短編集で柴田元幸訳。全19話の短編が掲載されている。SFとまではいかないものの、表紙とは裏腹にファンタジー色が強くてオモシロかった。話自体は大きな設定ではない。しかし小説の持つ跳躍力をふんだんに生かして登場人物をどんどん不確かな存在へと変貌させていく。この不確か...
アメリカの作家の短編集で柴田元幸訳。全19話の短編が掲載されている。SFとまではいかないものの、表紙とは裏腹にファンタジー色が強くてオモシロかった。話自体は大きな設定ではない。しかし小説の持つ跳躍力をふんだんに生かして登場人物をどんどん不確かな存在へと変貌させていく。この不確かさがどの短編にも共通して描かれていて彼の魅力と言えると思う。前半に顕著だけれど登場人物の名前もないままに物語が進んでいくので読み進めるのに体力いる部分もある。あと存在が不確かであることが推進力になって物語が展開するわけでもなく、ただ「不確かだよねー」とだけ終わっていく話もあるので好き嫌いは別れるかもしれない。つまりは場面が想像しにくい。 しかし19個あるので明確に場面が想像できて話がぐいぐい転がるような短編も存在していて、それらはどれも映画化したら良さそうと思えた。個人的にfavoriteだったのは「温室で」「九十に九十」「供述書」「裁定者」。結構バイオレントな表現が多くて血が出る場面が特に頻出していた。タイトルの「遁走状態」が本著におけるブライアン・エヴンソンの要素をすべて含んでいるのでタイトル作になるのも納得した。設定のぶっ飛び具合とバイオレンスの交わり方を考えると中原昌也とかなり近いムード。柴田元幸のあとがきにある、「私」の連続性が保証されないアメリカ的自由と不安という話がとてもしっくりきて自分の中で本著に対してモヤモヤしていた部分が解消されたような気がする。
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あえて分類すればホラーということになるだろうが、この本の裏表紙にあるようにホラーを超えたというのも、確かに言い過ぎではないかもしれない。正直にいえばどうもテイストが自分には合わないので途中でやめることにしたが、ホラー好きにはお勧めかも。
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