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皆川博子コレクション(5)
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皆川博子コレクション(5)
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商品レビュー
5
5件のお客様レビュー
シリーズの巻数としてはこちらが後になるので、「形を変えた『夏至祭の果て』か…」などと読みながら感じたが、執筆及び出版はこの「海と十字架」の方が先のようなので、いわば原型というべきか。 そしてオリジナルの今作の方が、読後の味わいはより深い。 一転して、次に収められた長編「炎のよう...
シリーズの巻数としてはこちらが後になるので、「形を変えた『夏至祭の果て』か…」などと読みながら感じたが、執筆及び出版はこの「海と十字架」の方が先のようなので、いわば原型というべきか。 そしてオリジナルの今作の方が、読後の味わいはより深い。 一転して、次に収められた長編「炎のように鳥のように」の舞台は古代の大和で、史実にある壬申の乱を巡る物語がヴィヴィッドに描かれている。 近年の著作群のみからは窺い知ることができないかもしれないが、あらゆるタイプの小説を書ききっているのでは、と思うぐらいに、皆川博子氏がカヴァーしてきたフィールドは本当に幅広い。 また、ここでは氏が深い造詣を持つ詩歌が作中の世界観と絶妙に相まって、効果的に活かされている。 2作を通じ改めて、各々の立場の視座から人間の業や苦悩を浮き彫りにし、ドラマへと昇華させる氏の筆力はまさしく凄まじいの一言に尽きる、と戦慄に近い思いを新たにした。 そして、これらが児童文学という枠の中でそもそも書かれたのだ、という事実に遅まきながら驚愕。 PART 4として収録された2篇、「戦場の水たまり」と「コンクリ虫」も、まったく性格が異なる風合いながらどちらも秀逸で、これが初単行本化とは一体どういうことだ? というのが率直な感想。 この「皆川博子コレクション」を通して、誤植がとても多いのが唯一、残念極まりない。
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表題作は隠れキリシタンへの迫害の物語。これまたそういったテーマであるはずなのに、”神”的存在が感じられない逸品。それが皮肉でリアルだなあ・・・。 「炎のように鳥のように」随所に現在の皆川節が散りばめられていて・・・納得だなあ・・・。 「シュプールは死を描く」学年誌に掲載された少年...
表題作は隠れキリシタンへの迫害の物語。これまたそういったテーマであるはずなのに、”神”的存在が感じられない逸品。それが皮肉でリアルだなあ・・・。 「炎のように鳥のように」随所に現在の皆川節が散りばめられていて・・・納得だなあ・・・。 「シュプールは死を描く」学年誌に掲載された少年向けミステリ、とのことですが・・・なるほどこの時代の皆川先生の持ち味は「ライダーは闇に消えた」然り・・・なるほど・・・。 「暗い扉」このほの暗さ・・・ほんとに少年向けか・・・いやでも皆川先生だもんな(道理) 「戦場の水たまり」幻想小説でありながら鮮血飛沫く戦争小説。皆川式童話は・・・子ども向けとは限らない・・・。 「コンクリ虫」唐突なほのぼのテンションにより1冊の中での高低差にびっくりする・・・。いやでもコンクリ虫かわいいな・・・、なんかこう、やっぱり幸せではない気がするけど・・・。
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<収録作品> 炎のように鳥のように 「炎のように鳥のように」あとがき シュプールは死を描く 暗い扉 戦場の水たまり コンクリ虫 「海と十字架」作者と作品について 大石真 「炎のように鳥のように」解説 岩崎京子
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