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構造主義の冒険
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構造主義の冒険
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
レヴィ=ストロースによって提唱された構造主義の意義を論じるとともに、それを乗り越える「発生的構造主義」への展望が提示されている本です。 本書において著者は、バーガーのカオス/コスモス/ノモスの三項図式を下絵に、レヴィ=ストロースの構造分析がカオスを放逐していることを指摘し、構造...
レヴィ=ストロースによって提唱された構造主義の意義を論じるとともに、それを乗り越える「発生的構造主義」への展望が提示されている本です。 本書において著者は、バーガーのカオス/コスモス/ノモスの三項図式を下絵に、レヴィ=ストロースの構造分析がカオスを放逐していることを指摘し、構造と非構造の弁証法をえがき出す発生的構造主義が必要だと主張しています。ただし、発生的構造主義を主張したピアジェの発達心理学は、人間の心理的発達段階におうじてより抽象的な形式的構造の認識が可能になることを解明しただけであり、より包括的な構造認識の理論にはいたっていません。著者はそれを、知識社会学的な理論に求めようとします。 ピアジェは、生体と環境との相互交渉における均衡の実現を「適応」とみなし、相互交渉の量的拡大がつづくと、やがて生体と環境の関係はそれまでの関係を含むいっそう高次の関係へと「再構造化」されると考えました。著者は、こうしたプロセスを経て、社会的・文化的形成を遂げた主体のあいだで、双方の構造を変換の一例にもつような、より一般的な構造(構造の構造)の構成にいたると主張しています。 レヴィ=ストロースの「構造」概念は、社会を認識するためのモデルを意味するのか、あるいは無意識的な実在を意味するのか明確でないという批判がなされています。著者の構想はこの問題に対する、主知主義的な仕方での解決の方向性を示したものということができるでしょう。ただし、著者はルーマンのような超越論的社会学の構築をめざすのではなく、あくまで知識社会学の理論として上記の構想を語っており、既存の社会的秩序の構成過程を明らかにする「批判」の立場に踏みとどまろうとしています。 構造主義を、社会の認識という根本的な問題に対する一つの考え方としてとらえるうえで、有益な内容を含んでいるように思います。
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「周縁/中心」、「異人」、「異常」、「魔女告発」といったテーマは私が関心を持つものであり、そういう事に関する記述は丁寧に読んだ。 今日は途中で集中力がきれて、関心を引くテーマはないかと探しながら、80ページくらい斜め読みして読了。
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1970年代頃、言語学、記号学などから社会学など社会科学に大きな影響を与え、革命的とまで言われた構造主義、そしてその開祖といわれるレヴィ=ストロースの議論を拾い上げ、また時に批判しつつ、構造主義とは何なのか考える論文集。 上野千鶴子の初期の学術本ということもあるのだろうが、論...
1970年代頃、言語学、記号学などから社会学など社会科学に大きな影響を与え、革命的とまで言われた構造主義、そしてその開祖といわれるレヴィ=ストロースの議論を拾い上げ、また時に批判しつつ、構造主義とは何なのか考える論文集。 上野千鶴子の初期の学術本ということもあるのだろうが、論文の集まりでまとまりの欠如を感じる。但し、構造主義に関する理解として、1章と8章は理解しやすく。また単純に読み物としておもしかったのは、3章。しかし、構造主義の冒険とは言いつつも、上野自身の理解する構造主義は何なのか、より明瞭な形で説明、あるいは理解できる構成や内容があればこのましいと思う。これに関しては後に出版されるが、フェミニズム等周縁理論が主軸になっているようで個人的には、進んで読もうとは思えない。
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