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遅れてきた青年 新潮文庫

大江健三郎(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1968/11/27
JAN 9784101126050

遅れてきた青年

¥220

商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2019/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大江健三郎の描く戦後文学は、戦後生まれの僕達にとって、もはや神話である。 鬱屈した自意識過剰な主人公。 19世紀西洋小説的。 ロマン・ロラン的。 文庫本あとがきによると、大江健三郎自身が終戦当時、そのような感慨を抱いていたらしいが、この長編は、第2次世界大戦の戦線に立つのに”遅れた”という意識を持つ青年が主人公であるところが、戦争を全く知らない僕には興味深い。 ある意味、必然的でない後半の犯罪が、小説に影を彩る。

Posted by ブクログ

2017/12/24

10年ぶりくらいに再読。以降の長い作家生活の中での作品を思うと、これは初期の総括と言える作品かもしれない。政治的と対比させた大江健三郎の性的な、負け犬的なモチーフが些か中二病的な趣きを讃えながら、漲っている。

Posted by ブクログ

2013/09/24

再読。作中にも一瞬顔を出すジュリアン・ソレルを下敷きに、そしてまた『芽むしり仔撃ち』の面影をも揺曳させつつ、逆説的に語られる「わたし」の自叙伝。「すでにわたしはいかなる人間の情熱をかきたてるヒーローでもなく、いかなる世代の証人でもない。わたしは、あなたとおなじだ。」―こうして閉じ...

再読。作中にも一瞬顔を出すジュリアン・ソレルを下敷きに、そしてまた『芽むしり仔撃ち』の面影をも揺曳させつつ、逆説的に語られる「わたし」の自叙伝。「すでにわたしはいかなる人間の情熱をかきたてるヒーローでもなく、いかなる世代の証人でもない。わたしは、あなたとおなじだ。」―こうして閉じられるエンディングはまことに寂寥感に満ちている。大江自身にとって、それは同時に60年安保の敗北と終焉でもあったのだから。この作品は、ここでもレビューがそれほど多くはない。もはや、熱い共感を呼ぶことはないのだろうか。

Posted by ブクログ

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