1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

終わりと始まり

池澤夏樹【著】

お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する に追加 に追加する

定価 ¥1,540

¥220 定価より1,320円(85%)おトク

獲得ポイント2P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞出版
発売年月日 2013/07/05
JAN 9784022510969

終わりと始まり

¥220

商品レビュー

3.9

14件のお客様レビュー

レビューを投稿

2018/09/21

2008年の末に亡くなった加藤周一の「夕陽妄語」に代わり、2009年4月から池澤夏樹の連載が朝日新聞紙上で始まった。 私はその前後に20年近くとっていた新聞購読を中止したので、このエッセイを読んだ記憶がほとんどない。本格的に加藤周一連載の後継に落ち着くことも、実は幾分疑っていた(...

2008年の末に亡くなった加藤周一の「夕陽妄語」に代わり、2009年4月から池澤夏樹の連載が朝日新聞紙上で始まった。 私はその前後に20年近くとっていた新聞購読を中止したので、このエッセイを読んだ記憶がほとんどない。本格的に加藤周一連載の後継に落ち着くことも、実は幾分疑っていた(それまでは暫定的に大江健三郎の連載があった)。あれから10年近く経って、既に二巻目が出ているこの本の第一冊目をやっと読んだ。 池澤夏樹は加藤周一の後継であると思っていたわけでもなく、期待していたわけでもない。それでもやはり新聞後継連載のエッセイを読んでみるのが怖かったのだろうと推察する。 題名の意味が不明だったが、加藤は漢詩から採ったが、池澤は「さりげないものがいいと思って」外国人の詩から採ったことが、今回知れた。いい詩である。2年後に詩の内容が現実(震災)に追いついたのは、偶然である。 読んでみると、池澤夏樹は多くの点で違っていた。文学よりも、旅の話が生き生きと語られる。ともかく池澤夏樹は「行動的」である。被災地に何度も通った。加藤も震災後神戸に訪れているが、その比ではない。もちろんだから優劣をつけるわけでもない。最新のマンガや映画の内容を何度も俎上に載せる。古典を大切にしていた加藤とかなり違う。日本に帰って住んだ土地である沖縄と北海道の話題が多くを占め、「戦後日本文学の1番大事な作家」と評価する石牟礼道子氏の関係か、水俣の話題も多かった。3.11の後からは、少なくとも2年間の2/3は震災関連話題で占める。古今東西の遠くに広がらず、比較的身の回りの話題が多いというのは加藤周一のそれとは違うだろう。 しかし、教養はやはり古今東西に広がっており、社会を批判的に見る目は比較的鋭い。イサム・ノグチが好きだから、政治の話をしないわけではない。むしろ積極的にしている。これらは「夕陽妄語」の伝統に似るだろう。 加藤周一は私にとっては、仰ぎ見る大先生だった。池澤夏樹は大学で演習のお世話になっている先生のような気がする。学ぶべき所は多いが、時々は「それは違うでしょ」と言いたくなるのである。ともかく、読み継いでいきたいと思った。

Posted by ブクログ

2017/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

い図。ハードカバーの方。 多数が少数を飲み込んでしまうことの怖さ。無意識や、傍観するだけという行為はつまり、多数側にまわってしまうということだということ。自分が小中高で感じた友達や先生との関係についの考えや行動…。どのコラムも、読むごとに自分の体験や生活を思い返し、重ね合わせて色々と考えさせられた。こうやって自分と周りのこと、社会の出来事を見つめ直して考える時間をもつこと、大切だな。ほんとは考えるだけでなく行動に移さなければいけないこともあるんだけれど、普段からこうやって立ち止まって考えることをしておかないと、知らぬ間に視野が狭くなってしまう。 とはいえ、自分の周りの幸せのために行動し、考えることも大切なのだけれど。 いつなんどきも、自分の足元と、もっと広い社会のどちらにも柔軟に目と体を向けられる人でありたい。それを自分には大それたことだと一歩引くのではなく、踏み込んでいける人でありたい。 そう思った。 本や映画、作家や資料を探す際にキーワードとなる出来事が多く紹介されていて、参考になった。再読候補。 ・p173で取り上げられていた映画『pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』、見たい。 2017/8/21 ◆引用 ・p194…事態を正確に読んだ上で楽天的にふるまう。それは不運を乗り切る力の一つであるだろう。(2012/8/14)

Posted by ブクログ

2017/07/29

現代にも、ペンで戦おうという気概を持った人はいるのだな。と言うのが読後の率直な感想。 文学が世の中を変えることが出来る、なんて言える作家が、いや、一般市民でも、果たして何人いるのかな。 (自分は数年前、今いる会社の人事部の面接担当に文学部出身と言うと、「何をするの?作品を読んで感...

現代にも、ペンで戦おうという気概を持った人はいるのだな。と言うのが読後の率直な感想。 文学が世の中を変えることが出来る、なんて言える作家が、いや、一般市民でも、果たして何人いるのかな。 (自分は数年前、今いる会社の人事部の面接担当に文学部出身と言うと、「何をするの?作品を読んで感想を言い合うの?」とか聞かれて、世間の文学の認識ってそんなものなのだろうかと、キレそうになったことを思い出した。閑話休題。) 2009年から2013年も、全く激動な時期だった。3.11以前と以後、終わりと始まり。 この時期に、このコラムを残してくれた池澤夏樹に感謝。 シンボルスカの詩が、刺さる。 刺さらない方が、この詩の意味を理解できない方が、幸せだとは思うけど。自分以外の人の幸せも、凡人なりに考えなきゃね。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品