「犯人に毒を与えないでください」 夜を共にしていた本当の訳。 少なくともペットからも邪険に想われていなかったからこそ、実現出来たことだったのだろう。 「この川で溺れないでください」 とある事を知らなかった者。 計画が狂おうと捜査を撹乱出来ることが出来たのに、こんな些細な事でバレるとは予想外だろう。 「怪盗からの挑戦状でございます」 二通に分かれた丁寧な予告。 外部から信用出来るか分からない者を呼ぶより、二人で狙われているものを護る方が良かったな。 「殺人には自転車をご利用ください」 時速何キロで走り抜けたか。 芝居ががった反応の時点で怪しさはあっただろうが、人間では不可能なことを実際にするなんて。 「彼女は何を奪われたのでございますか」 目の負担を減らそうとして。 いくら普段と違う自分を見られたくなかったとしても、そんな状態でよく動くことが出来たよな。 「さよならはディナーのあとで」 不審な動きが生んだ悲劇は。 付近で物騒な出来事が続いていたら誰だって勘違いしそうだが、居合わせてしまったのが不運だ。

端正な顔立ちと成金と的外れな推理を合わせ持つ 風祭モータース御曹司の風祭警部 その部下であり主人公 日本屈指の大手企業である 宝生グループ総帥の1人娘であるにも関わらず その正体を隠し 地味なスタイルで国立署に勤務する宝生麗子 そして、その麗子に仕える 抜群の推理力を持つ従順？な執事の影山 やっぱり東川さんの作品は面白いです。 コメディタッチで表現されているミステリーなので いつでも安心して読めます。