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貨幣論集
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貨幣論集
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
貨幣論集というタイトルから、貨幣の成り立ちや考え方に関する書籍なのか?と思って興味をもったのですが、まるで違いました。 本書は『貨幣とはどうあるべきか?』という観点で論じられた内容で、貨幣観としては古典経済学に近いです。 前半は現在の政府発行貨幣に関する問題と課題。 特に政府機関は己の私利私欲や、国民に対して忖度なしに政策立案・実行ができないが故に、不適切な貨幣発行と、その使い方が問題であると指摘しているとこです。 ハイエクのこの観点はとても本質的ですね。 例えば日本政府の場合、主権を有する自国建て通貨を発行しているので、財政的な制約はありません。ここはMMT(現代貨幣理論)が主張する重要なとこになります。 しかしコロナ禍に於ける日本政府のアクションはどうしたでしょうか? 片や飲食店やイベント事情社には大きな負担をさせる一方、Go to Eatやトラベルなど、行動を活性化させる策を講じる。 どの策が正解で間違いかは別としても、結局、政治家や官僚=貨幣発行権を有する政府機関の采配によって、偏った富の分配がされている。 世界でみた場合、コロナショックで下落する金融市場を救済する為に、世界中で大量の貨幣が発行され、ハイイールド債まで救済されました。 これによって、資本家は大儲けした一方、株式など持たない国民は、相対的に購買力を失ったことになります。 しかし国民は自国で生活する限り納税の義務があるから、自国通貨で税金の支払いをする。だから政府機関は、自分達の都合で政策を決める。 ハイエクが唱える貨幣の『あるべき姿』ってのを、論じたのが、この1冊。 政府機関の貨幣発行権を取り上げた方がいいとまで、書かれてます。 理想ではあるものの、少々無理があるのも事実ですが。 で、ハイエクが理想とする貨幣の姿を紐解いていくと、だからビットコインが誕生したんだろな~と。 私が疑問に思っていた仮想通貨誕生のルーツが、おそらくハイエクのこの本なんだと思います。 日本にいると、貨幣のあるべき姿とか考えないですよね。 なかななか、脳みその思考体操になる1冊でした。 翻訳の仕方が硬いので、何を言ってるのか理解するのに、頭抱えますꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
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