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秘密の武器 岩波文庫

J.コルタサル【作】, 木村榮一【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2012/07/20
JAN 9784003279038

秘密の武器

¥715

商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2020/12/26

ずっと田舎から出たことのない人間(自分)が、都会から来た洒落た人間(作者)の醸し出す粋な雰囲気に驚嘆し羨望しうまく消化できずに、いぶしたまま焦がれている。びっくらするほど主要人物の身のこなし会話考えが洗練されている。はあはあ。チャーリーパーカーの自伝以外は彼の持ち味である、現実か...

ずっと田舎から出たことのない人間(自分)が、都会から来た洒落た人間(作者)の醸し出す粋な雰囲気に驚嘆し羨望しうまく消化できずに、いぶしたまま焦がれている。びっくらするほど主要人物の身のこなし会話考えが洗練されている。はあはあ。チャーリーパーカーの自伝以外は彼の持ち味である、現実か幻想かあいまいな世界で溺れる、他者を必要としてないこじらせであり、物語はくっきりしてないので、彼の提供する魔力にとりつかれない限りは、もて余す類の本だと思う。真夏にアブラゼミの大合唱の中にいると気が狂いそうになる。そういう感じ。

Posted by ブクログ

2018/08/02

アルゼンチンの作家コルタサルの第三短編集、 全5編で、作品の舞台は作者が長く暮らしたパリ。 解説によれば、 収録作はいずれもコルタサル本人の内面の問題 ――心を占拠し、振り払おうとしてもこびりついて 落ちない何かを言語化し、 自身から切り離そうと試みて得られた生成物、らしい。 ...

アルゼンチンの作家コルタサルの第三短編集、 全5編で、作品の舞台は作者が長く暮らしたパリ。 解説によれば、 収録作はいずれもコルタサル本人の内面の問題 ――心を占拠し、振り払おうとしてもこびりついて 落ちない何かを言語化し、 自身から切り離そうと試みて得られた生成物、らしい。 以下、個人的にグッと惹きつけられた2編について。 いずれもある種の「憑依(posession)」 もしくは「強迫観念(obsession)」を描出している。 「母の手紙」  不器用な兄ニーコと、  その想い人ラウラの間に割り込んで  彼女を奪った弟ルイス。  ルイスとラウラは結婚してブエノスアイレスを離れ、  パリで暮らしていたが、  ルイスの母からの便りに苦しめられる……。  母は単に日常の些細な出来事を伝えていただけだが、  無意識下の悪意の発露か、はたまた、  読む側の罪悪感のためか、  手紙の中のちょっとした書き間違いによって  「死者が蘇ってしまう」恐怖。 「秘密の武器」  23歳のピエールは同い年のミシェルと交際している。  仲睦まじい彼らだが、  ピエールは関係がなかなか発展しないことに焦れている。  手を握ったりキスしたりしながら、  一線を越える決心がつかないらしいミシェル……  という具合に、  表層はくすぐったいような微笑ましい流れに見えるが、  二人の友人の言葉を拾ってみると、  不穏な影が浮かび上がる。  ミシェルはかつて自分を苦しめた者の残像が  時折ピエールの面影や言動と二重写しになるため、  彼を恐れているのだった。  ピエールの人格が分裂しているのか、  それとも何かが彼に憑りついているのか?  ボルヘスが「本来別個のものであるはずの二者の合一」  を描くと、「不死の人」のように  清潔なエロティシズムを孕んだ物語になったが、  こちらは現実に起こり得そうな  不気味(unheimlich)な事件。

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2018/01/06

 五つの短編を集めた短編集。  うち「悪魔の涎」と「追い求める男」は別の短編集ですでに読んでいたので、再読となる。 「悪魔の涎」は内容をすでに知っている状態で読むと、やはり面白みは減少する。  ちなみに映画「欲望」の元になったのがこの「悪魔の涎」。  この映画、観てはいる...

 五つの短編を集めた短編集。  うち「悪魔の涎」と「追い求める男」は別の短編集ですでに読んでいたので、再読となる。 「悪魔の涎」は内容をすでに知っている状態で読むと、やはり面白みは減少する。  ちなみに映画「欲望」の元になったのがこの「悪魔の涎」。  この映画、観てはいるのだが、ジェフ・ベックとジミー・ペイジのツイン・リード・ギタリストを配したヤード・バーズの演奏シーンのみを目当てとして観たため、筋は殆ど覚えていない(汗)。 「追い求める男」は何度読んでも面白い。  まさに時間を忘れて読みふけってしまう。  この「追い求める男」はチャーリー・パーカーの伝記を史実になぞって書かれているとのこと。 「追い求める男」以上に面白く読めたのが「秘密の武器」。  最初は何が起こっているのか曖昧模糊としているが、決して楽観視できない、不安で、不穏で、どことなく嫌な空気が充満した状況で話が進む。  そして最後になって、この不可解な状況が明白になると「そういうことだったのか!」と謎が明かされ、目の前が急に開ける。  ただし、その開かれた世界も決して楽しいものではない。  内容としては、割と既視感を覚えるものなのだが、こういう書き方、こういう手法で作品を構築していたのか! という驚きは隠しきれなかった。  僕以上に本を読んでいる方も多くいるだろうし、そういう方からみれば「こんな手法だってありふれているよ」と言われそうだが、僕にとってはまさに「目からうろこ」だった。  もし、これから読まれる方がいらっしゃるとしたら「作品内の語り手の視点に注意して読むと面白いかも」とアドヴァイスできると思う。  作中人物本人なのか、本人に寄り添っているもう一人の本人(あるいは別人)なのか、「ぼく」として語られているのか、あるいは「ぼくたち」として語られているのか……。  残りの二編「母の手紙」「女中勤め」も面白かったのだが、他の三篇と比べると僕にとっては少し弱かった。  よって星は四つ。

Posted by ブクログ

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