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三浦老人昔話
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三浦老人昔話
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岡本綺堂「三浦老人昔話」は捕物帳の話をしてくれる半七老人の友人、大久保に住む三浦老人が語る昔あった話。今の世の中は新しい話ばかりが溢れている。昔の面白い話を老人から聞くようなことも無くなってしまった。ネット登場以降でほぼ全滅である。明治の頃に老人から聞く話は江戸期のこと。半七捕物...
岡本綺堂「三浦老人昔話」は捕物帳の話をしてくれる半七老人の友人、大久保に住む三浦老人が語る昔あった話。今の世の中は新しい話ばかりが溢れている。昔の面白い話を老人から聞くようなことも無くなってしまった。ネット登場以降でほぼ全滅である。明治の頃に老人から聞く話は江戸期のこと。半七捕物帳で語られるミステリでもなく青蛙堂鬼談で語られる怪談話とも違う、それ以外の因縁話や人情話、ちょっとしたエピソードである。武家の奥様がご贔屓の女形役者を内密で下屋敷に招くが恐ろしいことに…「下屋敷」。江戸時代の藩主や旗本の家は家族の住む上屋敷、隠居などが住む中屋敷、蔵屋敷とも言われ荷物を置くための下屋敷に分かれる。「むかしの大名や旗本の下屋敷には色々の秘密がありましたよ」旗本大久保家の小石川巣鴨町にある下屋敷での話。怖い、怖い!更に、狂気なのか祟りなのか本所の置いてけ堀の因縁話「置いてけ堀」、母の病を治す人参を買うために身売りした姉、しかし母の命は助からず、そのうえ姉も失った弟の怒りが暴走する「人参」など。こうした話を年長者から聞くこと自体が昔話になりつつある。更に今のおじいちゃんが話す昔の話が世代的にバブルの話ではあまりに軽い。
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ふとしたきっかけで陥ってしまう狂気と、それに巻き込まれる理不尽。とても異様に思えるのに、それを自然に描いてしまうとこが怖いのですが、そういうものに自分が行き合ったら普通の反応しちゃうのものなのか。 時代小説って…宮部みゆきかしゃばけか壬生義士伝しか読んだことないと思うのですが…...
ふとしたきっかけで陥ってしまう狂気と、それに巻き込まれる理不尽。とても異様に思えるのに、それを自然に描いてしまうとこが怖いのですが、そういうものに自分が行き合ったら普通の反応しちゃうのものなのか。 時代小説って…宮部みゆきかしゃばけか壬生義士伝しか読んだことないと思うのですが…武士と町人の普段のくらしの中の境界やら折り合いの難しさが実際的とゆーか身につまされるとゆうか。あちゃー、と言いたくなるとゆうか…武士って大変なんだなぁ。 春色梅ごよみ。 同情の涙でした…お近さん、かわいそーで。今ならさしずめ運動部に青春かけてた子が、引退してこれまでと違う友達からやおいの世界を知り自分でも書き始め受験に差し障りが…てなくらいでしょうが、江戸時代の武士の家だったばっかりに…涙。現代日本ってほんと素晴らしいですね。 きっと今の日本のこの溢れ返りっぷりは、過去涙を飲んできた人々の上にたっているんだろなぁ、ととおいめ。かくいう自分も、きっとかつては地方の農民で活字に飢えてた口だと思ってます。 下屋敷。 事件は上屋敷で起こってんじゃねぇ、下屋敷で起こってんだ、ばりな。いや、まじでその役者どうなったのか。出してくれたよね。
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江戸を舞台にした短編小説集。なんてことのない、実際にどこかにありそうな、だけれどもなかなかないだろうなあと思える物語の数々。一見喜劇に思えることが当人にとっての悲劇であったりだとか。そこに描かれた人々の悲喜交々が、おかしいような、そして悲しいような。少しずつ、じっくりと浸って読み...
江戸を舞台にした短編小説集。なんてことのない、実際にどこかにありそうな、だけれどもなかなかないだろうなあと思える物語の数々。一見喜劇に思えることが当人にとっての悲劇であったりだとか。そこに描かれた人々の悲喜交々が、おかしいような、そして悲しいような。少しずつ、じっくりと浸って読みたい一冊です。 お気に入りは「鎧櫃の血」。いかにもなタイトル。そしてやっぱり怪談話。なのだけれど……醤油って! よりにもよって醤油!!! 笑っていいのか何なのか。でもこのラストにはぞくり。
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