自分が作り出したストーリー（過去から引きづっている幻想）や感情に翻弄それる人生から、気づきの意識としてそのストーリーから脱し、本当の自分に帰るということ。深く探ると「私」という存在はいないことが分かる。その「私」という思考の産物（幻想）が消えると、本当の自分（気づき、普遍的知性）を知る。

本当に素晴らしい内容なのに、ここまで人気が無い（レビューがかなり少ない）本も珍しいのではないかと思う。 発売年が比較的新しいからなのか、Amazonにおいてもこの本を絶賛する人があまり見られないのは、なんというか、寂しい。 内容も翻訳も完璧な仕上がりで、著者が１０年かけた悟りの集大成という印象である。この本を精神世界を学び始めた５年前に読んでいたら、すぐにでも新しい段階へと進むことができたんじゃないかと思ったりもする。 あるいは、あの当時の自分には手に負えない高度な内容であるのかもしれない。それが理由で（ある程度の探求者にしか理解できない内容が原因で）この本があまり評価されていないのかもしれない。 確かに純粋に初心に帰って読んでみれば、聞きなれない言葉があって戸惑う瞬間があるかもしれないが、それを何度も丁寧に手を変え品を変え説明してくれる著者と翻訳者の技量には驚かざるを得ない。これほど完成度の高い悟りへの手引きは読んだことがない。 装飾がシンプルなだけに、それほど期待することなく読んだのだが、これは間違いなくエックハルトさんの本に匹敵するか、それ以上の力を持った深い本である。 これを読めば絶対に"悟り"を体験できる。僕自身も体験した。 誰かに本をプレゼントするとしたら、今の僕は絶対にこの本を選ぶだろう。 ありがとうございました。