大成功者たちのあまり知られていない影の部分に光をあてた作品です。 例えば、ウォルト・ディズニーは成功をつかみ掛けていた頃よき理解者だった親友に裏切られる。しかし、現実世界の汚さを知り、打ちのめされていけばいくほど、彼はよりファンタジーの世界に没頭していった。その特異な性質が、のちの「白雪姫」という傑作を生みだした。 国務大臣にまで上り詰めた小林一三が34歳まで使い物にならないダメ社員だったことは、彼の残した業績があまりに偉大過すぎるため隠れてしまっている。では、一体何が彼を変えたのか？それは、責任ある仕事を任されて背水の陣で臨んだ時にたどり着いた決心である。「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら誰も君を下足番にはしておかぬ」という、サラリーマン根性からの脱却であった。 小さいころ親に捨てられて養子となったスティーブ・ジョブズは、「放漫で暴虐で無いものねだりの完全主義者、さらに未成熟で感じやすく傷つきやすくもある。そして、精力的で構想力がありカリスマ的で、強情で譲らず、まったく我慢のならない男である（byジョン・スカリー）」の評価通りの面倒な人間である。しかし、その時々に出合う人間に助けられている。最初は、スティーブ・ウォズニアックとの出会い。しかし、彼にとっては恩人のはずなのに、個人的な嫉妬から容赦なく追い落とす。その後も、一度は首になったアップル社に復帰させてもらったアメリオを無情にも退社に追い込むという鉄仮面振り。彼の有名なスピーチ「ハングリーであれ、バカであれ」を地で行く生き方は、やはり彼しかできないと思わせる。 その他、カーネル・サンダースやココ・シャネルなど勇気がもらえる話満載です。

超一流の起業家の一生を伝記風にまとめた本 どの起業家も、一度や二度は大失敗をしてどん底の時期を経験している。 そこから這い上がって世界にも歴史にも残る企業を作ったことに勇気づけられる。 本田総一郎さんが退職後全国すべての営業所を訪問した話、 裏切られても夢を貫き、アニメと遊園地に革命を起こしたディズニー 不良社員から阪神帝国を創り上げた小林一三 いわずと知れたスティーブジョブズ 彼らの人生にいろいろ教えられた。

国内、国外あわせ10人の経営者が出てくるが、ひとりとして順風満帆に直線的に成長していった人はいない みな等比級数的に、ある期間を境にドカンと伸びたような印象を受ける もちろんそれはそれまでの下積みとか苦労があったからなのだけど 読んでいてひとつ気付いたのは、みな強烈な「失敗」体験を持っているということだ （コンプレックスと言い換えてもいい） それは、たとえば受験の失敗だったり、経営の失敗だったり、または女性であるという（当時としての）ハンディだったり、親に捨てられたこと過去だったり、敗戦だったり… そういった失敗の記憶がみな強烈に刻み込まれているのだ それを引け目に感じて腐ってしまうのか、またはエネルギーに転換して燃やすのか、そこが凡人とこれら偉大な人のもっとも大きな違いでなかろうか。