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Zの悲劇 角川文庫

エラリークイーン【著】, 越前敏弥【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループパブリッシング
発売年月日 2011/03/24
JAN 9784042507178

Zの悲劇

¥770

商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

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2023/05/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

☆4.0 『Yの悲劇』から十年、ニューヨーク市警を退職したサム元警視は私立探偵として今も犯罪事件と戦っている。 長年ヨーロッパ各地を旅した娘のペイシェンスが帰国し、父娘の生活を楽しめるようになった頃、ある依頼を受けて州北部へと向かった。 調べようとしていた黒い噂を持つ医師アイラ・フォーセットには、同じく黒い噂ばかりで選挙を控えた州上院議員の弟ジョエルがいる。 難しい調査になるかと思われたが、ある夜、ジョエルが刺殺されてしまい、捜査経験をかわれたサムとペイシェンスも呼ばれ、事件に関わることとなる。 ジョエルに脅迫の手紙を刑務所から送っていたエアロン・ダウが捜査線上にあがり、しかもダウは事件当日にアルゴンキン刑務所を出所していたことも判明する。 容疑者となったダウが発見されそのまま逮捕されてしまうが、ペイシェンスは鋭い推理でダウの無実を導き出す。 しかしその推理は物証がなく、受け入れられなかった。 ペイシェンスとサムの二人は、無実を訴えるダウを救うためドルリー・レーン意見を聞こうとハムレット荘へと向かう…… ペイシェンスの一人称で書かれているので、前二作と少し雰囲気が違うかもしれない。 前半はペイシェンスがどんな人なのかがわかるようになっている。 客観的にも美人で頭の回転が速く、生意気に思われようとも言うべきは言う気概を持つ女性で、レーンの存在感に負けない輝きを持っている。 七十歳になり、少しだけオーラの勢いに衰えが見えたかに思われたレーンも、また事件に関わることで目のきらめきを取り戻していく。 のだけども、レーンさん、ここで大失敗をしてしまうんです。 精彩を欠くレーン、やはり寄る年波には勝てないのか。 ペイシェンスも頑張りますが必要な物証が見つからず、ついにはダウに死刑判決がくだってしまう。 ここからはタイムリミットサスペンスの如く、死刑執行までに真実を解き明かすことができるのかとスピード感が出てくる。 ここからが今作一番の見せ所ですね。 レーンの行う消去法推理の綺麗で見事なことったら。 端的に容疑者を減らす指摘をし、そこに疑問を挟ませない。 熟練の技を見せられた感じ。 前作の終わりから私の中で、もにょもにょしてるところがあるので、『Zの悲劇』でもちょっともにょもにょしてるんです。 レーンがしてしまった大失敗、あれ本当に失敗だったの?って。 わざとじゃないよね?って。 だって、エアロン・ダウって、殺してはいないけど、脅迫はしてたじゃん。 ちゃんと事件は解くからちょっとの間くらいヒヤヒヤしてなよ、って思ってなかったかなぁって。 ペイシェンスの一人称のせいか、いつもにも増してレーンの思いがわかりにくい。 もにょもにょする。 次はついにこの四部作の完結編。 『レーン最後の事件』に向かおうと思う。

Posted by ブクログ

2023/01/02

探偵ドルリー・レーン四部作の内の三作目。前二作(Xの悲劇、Yの悲劇)とは趣を異にする作品。 この終わり方では解決したとは言えないのでは?レーンらしくない。 解説の最後の一文が我が意を得ている。

Posted by ブクログ

2022/04/10

バーナビー・ロス(=エラリー・クイーン)によるシリーズ3作目。 ドルリー・レーンによる推理が光る『Zの悲劇』 X・Yに比べ、とてもスラスラ読め、分かりやすい印象でした。 というのは、レーンのいつもの、シェイクスピア云々の引用が少なめだったのが原因のひとつ(私にとってはw) もう...

バーナビー・ロス(=エラリー・クイーン)によるシリーズ3作目。 ドルリー・レーンによる推理が光る『Zの悲劇』 X・Yに比べ、とてもスラスラ読め、分かりやすい印象でした。 というのは、レーンのいつもの、シェイクスピア云々の引用が少なめだったのが原因のひとつ(私にとってはw) もうひとつは、サム警視の娘のペイシェンス・サムが語り手となり、一人称で物語が進んでいくという所にあるようです。 舞台はアルゴンキン刑務所。 サムは警視引退後、私立探偵業に従事していた。 エリヒュー・クレイという実業家から、共同経営者の不正を暴いてほしいという依頼を受ける。 サムとサムの娘ペイシェンスは、彼の家に泊まり込み捜査をするが、捜査対象の悪徳議員ジョエル・フォーセットが何者かに殺害される。 残された手がかりから、刑期を終え釈放されたばかりのエアロン・ダウが容疑者に。 どうしても彼が犯人だと思えないサムとペイシェンスは、レーンに捜査の助言を依頼する。 『Yの悲劇』から10年後の話で、レーンは70歳の年齢で登場する。 以前のような若々しさは衰えて見るからに身体が弱ってしまっているが、洞察力は変わらない。 ペイシェンスはレーンを敬愛する、聡明で洞察力に優れた美しい探偵。 『レーン最後の事件』にも出てくるのかなぁ。 年老いたレーンも、魅力は変わらないです! 安定の面白さでした♪

Posted by ブクログ

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