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法然・愚に還る喜び
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法然・愚に還る喜び
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
法然と彼の説いた専修念仏の思想について、わかりやすいことばで解説している本です。 一般的に、親鸞にくらべて徹底性を欠くというイメージのある法然のスタンスを、同時代における庶民の救済にかかわる彼の態度にもとづいてポジティヴに解釈する試みがなされています。 著者は、ユング心理学や...
法然と彼の説いた専修念仏の思想について、わかりやすいことばで解説している本です。 一般的に、親鸞にくらべて徹底性を欠くというイメージのある法然のスタンスを、同時代における庶民の救済にかかわる彼の態度にもとづいてポジティヴに解釈する試みがなされています。 著者は、ユング心理学や西田幾多郎の哲学、キリスト教における解放の神学や自然科学的な観点からの称名の効果にかんする研究など、さまざまな議論をとりまぜながら、法然の魅力を多角的に照らし出そうとしています。仏教学のなかでの法然解釈になじんだ読者にとっては、著者の無手勝流のスタイルは容認できないと感じるかもしれませんが、法然の思想にはじめて触れる読者にとってはおもしろく読める本なのではないかと思います。
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法然が活動した時代の様子や、法然を取り巻く情勢が生き生きと描かれる。さらに、他の宗教家や弟子の親鸞などとも比較しながら、法然の独自性・革新性を説いている。また他宗教やユングなど様々な知見と照らしながら法然を多角的に捉えようとしている。ただ、筆者の法然に対する思い入れが強すぎるせい...
法然が活動した時代の様子や、法然を取り巻く情勢が生き生きと描かれる。さらに、他の宗教家や弟子の親鸞などとも比較しながら、法然の独自性・革新性を説いている。また他宗教やユングなど様々な知見と照らしながら法然を多角的に捉えようとしている。ただ、筆者の法然に対する思い入れが強すぎるせいか、筆者の(小説的ともいえる)想像力でもって強引に論を進めているようなところが散見される。著者の言わんとするところにはほぼ賛同できるだけに、そこが残念ではある。
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徹底的な仏典理解を経て専修念仏へと収斂されていった浄土宗の宗祖、法然の考え方を説明した一冊。当時の時代背景はもちろんのこと、禅宗、キリスト教および心理学まで引用したうえでの解説が興味深い。 平安末期の震災や火災、政変が続くつらい時代、庶民は難しい仏教の修行もできず、現世にも来世に...
徹底的な仏典理解を経て専修念仏へと収斂されていった浄土宗の宗祖、法然の考え方を説明した一冊。当時の時代背景はもちろんのこと、禅宗、キリスト教および心理学まで引用したうえでの解説が興味深い。 平安末期の震災や火災、政変が続くつらい時代、庶民は難しい仏教の修行もできず、現世にも来世にも望みが持てずにいた。そんな中、「念仏を称えさえすれば誰でも極楽往生できる」と説いた法然の教えは、絶望の淵に追いやられていた目の前の人々を救うための画期的な方法だったと著者は言う。 法然さんと一般の人々との間で交わされた質疑応答が残されているのだが、法然さんの答えは現実的であり、念仏以外のことはきわめてアバウトであり、なおかつ、庶民にやさしい。 私は絵画や彫刻で拝する法然さんのやさしく鷹揚なお姿に惹かれて、法然関連の本を読み始めた。あのやさしいお姿は、法然さんの心の中からにじみ出るものなのだと実感した。
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