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“反"知的独占 特許と著作権の経済学

ミケーレボルドリン, デヴィッド・K.レヴァイン【著】, 山形浩生, 守岡桜【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NTT出版
発売年月日 2010/10/29
JAN 9784757122345

“反"知的独占

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商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2020/04/06

難解な本ではないけど、ボリューム多いしトピックも多いので、何度か読む必要ありそう。 -特許、著作権などの知的独占は、イノベーションを阻害している -オリジネイターが利益を得る方法は別にあるし、今の特許制度もそれほど利益をだしてなくて、大企業とパテントトロールのみを利している ...

難解な本ではないけど、ボリューム多いしトピックも多いので、何度か読む必要ありそう。 -特許、著作権などの知的独占は、イノベーションを阻害している -オリジネイターが利益を得る方法は別にあるし、今の特許制度もそれほど利益をだしてなくて、大企業とパテントトロールのみを利している -そうした知的独占がないほうがイノベーションは伸びる ことを、発明、特許、ソフトウェア、音楽、出版、製薬、など様々な業界を対象に検証している。 商標は指定してない。コピー品ビジネスなどは否定している。 でも、逆に言うと「商標などの仕組みでオリジネイターの利益は守れるし、知的独占は害のほうが大きい」と言い切り、かつ事例もデータも誠実に引いてるのが素晴らしい。 山形浩生さんの訳者解説もいつにも増してノッてるように思われる。 ちょっとよくわからないのが、「独占」はいいことが悪いことなのか。Linuxは圧倒的シェアを持ってるけど、それは別に悪くない気がする。 多くの場合で独占はたぶん悪いことなんだけど、競争そのものを排除せずにうまく独占をやめさせる方法はなんだろう。 また、セグウェイの話で出てくる「発明家がそれで自動車の価値がなくなると本当に思ってるなら、さきに車会社の株を空売りしておけば利益確保できた」というのはいまいち同意できない。 量産が強い会社が、安価な模倣品をたくさん作ることで市場を持っていくことについては、たしかにそのほうが人類のためかもしれないが、工場に近い人たちしかインセンティブが働かなくなる。 音楽アルバムの著作権収入がゼロになってもグッズ等で儲かる話も、零細ミュージシャンにはつらそうな気がする。(音楽の章はレコード会社のビジネスと著作権のどちらに問題があるのか、もう一回読まないとならなそう) 本では「発明者は一番手で、模倣者は一番手が利益を出てからコピーを始めるので、先行者利益としては充分」というが、中国と北欧みたいに製造力が違いすぎると、あとから出てくるほうが有利すぎる。それはいいんだろうか。グローバル化についても記述はあり、再読したほうがよさそう。 ただ、実際はそういう人も、特許料で利益を得てるわけではなくて広告等別の形で利益を得ているので、本書の趣旨の「知的独占は良くない」とは矛盾してない。 何かの発明について、特許以外の方法で発明者に報いるやり方は何か、と考える選択肢を増やすことはすごく意味がある

Posted by ブクログ

2014/06/23

特許などの知的財産を守る法律は、世界の発展の邪魔になっているんだ、という話。目から鱗、というより、そうかそういう見方をしてもいいんだ、とすっきりした。Appleが「丸みを帯びた四角」で特許をとったり、松本零士が歌詞のことで歌手を訴えたり、大の大人がなんなのそれ、とは思いながら、で...

特許などの知的財産を守る法律は、世界の発展の邪魔になっているんだ、という話。目から鱗、というより、そうかそういう見方をしてもいいんだ、とすっきりした。Appleが「丸みを帯びた四角」で特許をとったり、松本零士が歌詞のことで歌手を訴えたり、大の大人がなんなのそれ、とは思いながら、でも知的財産って大事なことだからな、と思っていたぼくは知らず知らず洗脳されてたのかもしれない。 とはいえ、ちょっとすっきりしない点も多々。たとえばブランドの偽物は? この本でははっきりした線引がされないが、不必要な知的独占と、必要な知的独占?があるのでは? 知的独占をせずに発展したオープンソースについてもっとつっこんで欲しい。対立する意見も取り上げているが、扱いはちょっと雑で、納得性はあまりない。

Posted by ブクログ

2014/02/16

本書の意義は、知的独占を認める特許の社会的意義が、一般に認識されているほど自明ではなく、むしろ社会的厚生を低下させている可能性すらあることを、示したことにある。 全撤廃を0、現状を1とし、その間のグラデーションを含めて、どの地点が最適かを議論することは、非常に面白く、また有益で...

本書の意義は、知的独占を認める特許の社会的意義が、一般に認識されているほど自明ではなく、むしろ社会的厚生を低下させている可能性すらあることを、示したことにある。 全撤廃を0、現状を1とし、その間のグラデーションを含めて、どの地点が最適かを議論することは、非常に面白く、また有益であろう。しかし、いくら過去事例をもとに数値シミュレーションを行ったところで、仮定の起き方次第で結論が180°変わるであろうことは目に見えているため、社会的実験を行う他に客観的結論を得ることはできそうにないが、これは政治的観点から見て、不可能である。つまり、イノベーションを促す最適な制度設計に関する客観的な答えは、永遠に出ない(これは、知的財産権にかぎらず、あらゆる制度設計に対しても言えること)。 従って、採用すべき制度の意思決定を論理によって成すことはできず(これはコンドルセのパラドックスなどに鑑みれば、別に真新しいことではない)、最終的には、文化思想信条信念価値観上、どの制度が好みか、という感情論に基づく決定にならざるをえない。ヒッピー寄りの価値観を持っている者(オープン・ソース・コミュニティに生息している人間の多く)は、知的財産権全撤廃寄りの制度を求めるだろうし、エスタブリッシュメント寄りの価値観を持っているもの(エリート畑を歩んできた官製独占企業の経営者など)は、知的独占権を推進するだろう。後は、どちらが、中間層の感情をより強く引き寄せるソフト・パワーを獲得するに至るか、という問題に帰着する。 その意味で本書は、知的独占の弊害を示す事例をこれでもかというほど記述して大いに話題をさらい、一部中間層に「え~、特許ってこんな風に使われてるのか~、こんなの嫌だな~」と思わせる上で一役も二役も買った。文化思想信条信念価値観ブロックの激突における、ヒッピー陣営からの一撃としては、記念碑的価値があったといえよう。 よって☆5つ。

Posted by ブクログ

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