道具が要らない点、上達するにしたがって内容が変わる点、そもそも自分のスタート地点を測れる点など、簡易で順序だてて分かりやすく記している。はじめにニーアップという足踏みを１００回やることも目新しい。 いずれにせよ、やらなきゃね。

年末年始の飲食で身体のラインがゆるんでしまったとお嘆きのかた、吉報です！　1日10分、1週間で身体が引き締まる「スロトレ」というプチトレーニングがあるのです。 スロトレの効果が一番劇的に表れる部分は、「おなか」。スロトレをはじめた後、早ければ1週間、2週間という単位で、サイズの変化を実感できるはずです。 もともと、おなか周りはサイズが変化しやすい柔軟な構造をしています。例えば、おなかに力を入れると、少しへこみますね。これは、中心が空洞で、その周りを筋肉が囲んでいる構造をしているから。スロトレでは、このおなかの構造を利用して、おなか周辺の筋肉の働き方を変えることで、ウエストを引き締めていきます。 実は、年齢とともにおなかがぽっこり出てスタイルが悪くなってしまうのは、「大腰筋」（※）が弱ってくるのが一因。骨盤を引っ張る力が弱くなり、骨盤が正しい角度に保たれなくなります。本来はピンと立った状態にあるべき骨盤が、徐々に寝てくるのです。そうすると、背中が曲がり、内臓が下がって下腹部が太くなってしまいます。 そこでスロトレでは、大腰筋を鍛え、骨盤の角度を元に戻していきます。これにより、おなかの空洞が縦に伸びて、ウエストが細くなるというわけです。 スロトレは、少ない負担で大きな効果が得られる点が特徴です。例えばスクワットを行うとき、通常はしゃがむ→立ち上がるという動作をくり返しますが、スロトレではしゃがむ→中腰（ひざが伸び切らない状態）の動作をノンストップでゆっくり行います。完全に立ち上がると、筋肉はいったん休んでしまいますが、立ち上がり切らないスロトレの方式では筋肉が働き続けます。そのため、通常の筋トレより軽い負荷と少ない回数で、筋肉を鍛えることができるわけです。 スロトレの特徴は、「速筋」を中心に鍛えるエクササイズであることです。速筋とは、収縮の速度が速く、瞬間的に大きな力を発揮する筋線維。これに対し、ゆっくりと収縮し、パワーは少ないが、持久力に優れるのが「遅筋」です。 実は、この速筋、ダイエットの非常に重要なポイントの筋肉となります。速筋は加齢の影響を受けやすく、ふだんから運動していなければどんどん萎縮していきます。ですが、速筋は衰えやすい一方で、鍛えれば太く大きくなりやすいという、嬉しい性質を持っています。速筋をふやすための一番効率のよい方法がスロトレです。 また、最近の研究で、速筋は、収縮をしていないときにもエネルギーを燃やして熱を生み出し、体を温める役割をしていることもわかってきました。このように速筋を鍛えるスロトレは、全身にさまざまなよい影響をもたらしてくれるのです。 ※大腰筋……おなかの中心にあって、核となる働きをしている筋肉。脊椎（せきつい）・骨盤・大腿骨（だいたいこつ）をつなぎ、姿勢を保つ上で重要な役割をしています。