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月
¥495
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商品レビュー
3.1
10件のお客様レビュー
『フィリップ一家の家風』民俗学的というか、小説の枠を超えた面白さ。きだみのる『気違い部落周遊記』を思い出したが、こちらの方にはより愛がある。92/100
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ルナアルの「にんじん」を読んだ娘が、他の作品も読みたいというので探してみたら、こんな本に出会いました。 世界の名作短編を3編ずつ収めた、「百年文庫」。 ルナアルの短編は、「フィリップ一家の家風」。村人の生活の様子がまるで散文詩のようにとりとめなく描かれている。日記の断片のような。「ほう、そんなことが」と思うような、日常の数々。本人たちにとっては当たり前かも知れないけど、時代や、身分が違うとこんなにも新鮮に思えるのか、と思う不思議な作品。 リルケの「老人」は、森鴎外が翻訳。二人の老人が公園のベンチで隣り合って座っている僅かな時間を描いたものなのに、なんだかしみじみと哀愁が漂う。そして、二人の絶妙な心の距離感。これはもしかすると森鴎外の訳がすごくいいのでは?淡々と、美しい。 プラトーノフ「帰還」は、戦時下の家族の物語。戦場から帰ってきた夫と妻のすれ違い、親子の心の通わなさ、など、登場人物が最初はみな自分本位なんだけど、ラスト、怒涛の展開があって、ちょっと目が潤んでしまった。悪いところ、許せないところ、みんなそれぞれあるけど、でも、それを飲み込んでいけるってところに、救いがある。
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百年文庫は、「憧」や「絆」のように、漢字1文字をテーマに、3名の作家による日本・海外文学の名作短編を集めたアンソロジー。全部で100巻あるので、300人の作家と出会うことができるシリーズです。 本書は「月」をテーマに、ルナアルの『フィリップ一家の家風』、リルケの『老人』、プラト...
百年文庫は、「憧」や「絆」のように、漢字1文字をテーマに、3名の作家による日本・海外文学の名作短編を集めたアンソロジー。全部で100巻あるので、300人の作家と出会うことができるシリーズです。 本書は「月」をテーマに、ルナアルの『フィリップ一家の家風』、リルケの『老人』、プラトーノフの『帰還』といった、人々の日常や生活を風景ごと切り取ったような、美しい作品を3作収録しています。
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