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恋人選びの心(2) 性淘汰と人間性の進化

ジェフリー・F.ミラー(著者), 長谷川真理子(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2002/07/17
JAN 9784000228244

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商品レビュー

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2018/12/21

『Ⅰ』で解説した理論、恋人選びの環境が、どう現在のわたしたち形質を作り出しているかという『Ⅱ』。ここがみどころです。 7章:からだに残された証拠 心理学の本ではありますが、まずははじめにからだに残された性淘汰の結果を検討します。対象になるのは、ペニス、クリトリス、乳房。クリトリ...

『Ⅰ』で解説した理論、恋人選びの環境が、どう現在のわたしたち形質を作り出しているかという『Ⅱ』。ここがみどころです。 7章:からだに残された証拠 心理学の本ではありますが、まずははじめにからだに残された性淘汰の結果を検討します。対象になるのは、ペニス、クリトリス、乳房。クリトリスは男性の適応度を計るためにある、という解説がとくにおもしろいですね。 じょうずにセックスする(いわゆるイカせられる)男性とはまたしたくなるはずなので、繰り返すうちに妊娠したはず。セックスがヘタな男性とは一回きりだったでしょうから、妊娠は成立しなかったはずです。クリトリスは相手がじょうずにセックスできる適応度の高い男なのかを測っているわけです。 ここで重要なのは、体に現れている形質にもかかわらず、快楽システムという心的な適応とつながっていることです。 あと、おっぱいは男性が女性を選り好みしてきたことの証拠なんだそうです。おっぱいがついてることも、それにひかれることもご先祖様のおかげだということです。感謝にたえませんね。 8章:誘惑の技法 8章。芸術も性淘汰で生まれたのよ。ひとことでいうと、高度な芸術をつくり、守るには高いコストが必要だったので、芸術は信頼できる指標となり、それを作れる人間が選ばれたはずだ。という説明。証拠として提出されるのが握斧––ハンドアックスです。実用的とはとてもいえないような左右対称性や大きさの化石が見つかっているそうです。 「芸術は自己表現だ」みたいなことはよく言われますし、もはや陳腐にも思えることばですが、表現される「自己」が適応度だと考えるなら真理をついているのかもしれません。 9章:育ちのよさの美徳 つぎは道徳です。人間の道徳性の起源として持ち出されるのは「血縁」と「互恵性」ですが、人間の道徳的行為は血縁関係の個体だけに向けられるわけではありませんし、互恵性がもたらすとは思えない美徳もあります。リーダーシップなどです。やっぱり道徳的行為も高コストな信頼できるシグナルとして進化したのでしょう。ミラー先生はこれは群淘汰ではないといいます。たまたま適応度を誇示する戦略が集団にとって有利にはたらいているだけなのです。 10章:シラノとシェヘラザード 章の題からは分かりづらいですが、10章は言語について。まず、言語が適応であることは前提です。しかし、なんのための適応なのか?知識の共有、血縁への指示、そしてもちろん、ナンパ––求愛のためです。ミラー先生はおもしろい点に着目します。会話の目的が情報の共有なら、わたしたちは聞き役に回りたいはずです。伝えることは伝える側の情報を増やさないからです。ですが、わたしたちは明らかに話すことに熱心にみえます。人間は、話す能力によって利益を得ているのです。 言語を流ちょうに話せることは、信頼できる適応度指標になったに違いありません。コミュ力の高い人はモテるわけです。 11章:恋人を口説くためのウィット からだ、芸術、道徳、言語ときて、さいごは創造性とユーモアについて。創造性の根本にはランダム性があります。遺伝子がランダム性を生み出せるのか?という問いに対して、生み出せるし、それは適応的だったのだとまず説明されます。ゲーム理論では、ゲームの均衡点が2つ以上あるばあい、最適な戦略は「混交戦略」つまり、相手とって予測不可能な行動をとることだと証明されているそうです。進化も混交戦略をとったのでしょう。そして、混交戦略をじょうずになせる遺伝子は適応的だったでしょう。ならば、ランダム性の適応度指標、つまり創造性に惹かれることは不思議ではないでしょう。というぐあいです。 ¶ 「芸術も道徳も言語もナンパのために進化したって?なんて不埒なことを考えるんだ」などと思って読んでみると、圧倒的な説得力で説き伏せられ「性淘汰はぜったい人間にはたらいている。適応度を高めるために絵の練習をしなくては」となっていました。間違いなしの名著。ぜったい読みましょう。 本書でもなんどか言及されることですが、言語は真実を語るために使えるいっぽう、相手を魅了するためにも使われます。わたしが「あいつは道徳的にふるまってるけど、要するにセックスするためにああやっているんだぜ」などとこの本を引用していったら、それは本書の知識によれば正しいのですが、まちがいなく嫌われてしまうでしょう。本書を使って適応度を高めたいなら、このことに敏感でなくてはなりません。

Posted by ブクログ

2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2002年刊。著者はロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ経済・社会進化研究C上級研究員。訳者は早大政経学部教授。全二巻中の二。前巻で示した性淘汰仮説の基本三原理をもとに、本書は、男性器・スポーツマン人気、クリトリスを含む女性器・乳房や臀部・ウエスト等への関心、芸術(特に絵画)や握斧等の道具製作、道徳や利他心、また言語に関し性淘汰仮説から進化を遂げてきたとの論を展開。物事への惜しみない努力と関係構築の巧みさが、配偶者の心を惹く。芸術や利他心、言語等が妥当する点だ。一方、感覚バイアスによるのが男性器・女性器。 さらに、健康体という適応度指標たりうる、スポーツマン人気・女性の姿態等、多面的な要因論を展開するのは興味深い。加え、予測不可能な行動形態を、生物が生き延びてきた一つの要因とする観点から、これら予測不可能性を脳に担保させるべく、例えば、ユーモアや創造性が現出した。あるいは、求愛前には男性は女性に言葉巧みに気を惹こうとする半面、子育てに関わらせるべく女性は男性に言葉巧みに気を惹こうとするとの指摘には、結婚後は家庭での会話主導権が女性にあることを、上手に説明している等、様々な人間の有りようが顕出され、面白い。 逆に、利他性の乏しいサイコパス男性が女性に嫌悪されながらも、遺伝的に生き延びたのは、この性癖を隠蔽し男女関係を構築したからだ。この説明は避妊困難な時代相では、割と判りよい説明(サイコパス的女性が成立しにくいのは子育て放棄に繋がりやすく、遺伝的に継承しにくいとのこと)。このように、一見矛盾・対立する要素を含みながら、その中で各要素がせめぎ合いながらも進化していく。この模様は腑に落ちやすく、その中で、芸術や言語が特に指数関数的に発展したのは、性淘汰による強い方向性が推認でき、なかなか気づきの多い書であった。

Posted by ブクログ

2014/12/07

実は一巻は高くて買えなくて、二巻だけ読み終えました。 でもやっぱり一巻から読みたいです…。 図書館で探してみるつもりです。

Posted by ブクログ

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