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苦の世界 岩波文庫

宇野浩二【作】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2001/02/19
JAN 9784003106815

苦の世界

¥825

商品レビュー

4

5件のお客様レビュー

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2022/09/25

 金もなく、あてもなく、そういう時こそむしろ妙にぐうたらと過ごしてしまうし、なぜか妙に焦らないし、なぜか妙にヘラヘラしてしまうし、なぜか妙に危機感が湧かない。つまり何か/どこかを志向するのではなくただ行き当たりばったり、無為に彷徨っている(彷徨わざるを得ない状況によって)ことが、...

 金もなく、あてもなく、そういう時こそむしろ妙にぐうたらと過ごしてしまうし、なぜか妙に焦らないし、なぜか妙にヘラヘラしてしまうし、なぜか妙に危機感が湧かない。つまり何か/どこかを志向するのではなくただ行き当たりばったり、無為に彷徨っている(彷徨わざるを得ない状況によって)ことが、俯瞰して見た人生における矢印を消失させ、ただ生きているという素朴な存在になっている。というようなことを思った。縄文時代ならいざしらず、文明の整備された世界において貧乏でおると、とにかくめちゃくちゃ時間が有り余るのであり、贅沢な時間の使い方(昼まで寝る 昼から散歩する 暗くなるまで昼寝する 夜更けまで呑む)をすることができる。贅沢といま書いたが、貧乏なのに?はたして贅沢とは何か?苦の世界と言いながら、なんだか彼らは楽しそうだ。楽しそうと思わされつつ私はこうなりたいわけではないが。こうなりたいわけではないと思わされるということは、じゃあやっぱり「苦の世界」なのか。

Posted by ブクログ

2016/04/28

女の人が抱えた社会的な あるいは生理的な理不尽に対する被害者意識の爆発 それをヒステリーと定義する人もあった 爆発してあふれ出るネガティブな感情の奔流には 秩序がない 秩序とは自律する構造である 世界の混沌をそういった形式に落とし込むのは 歴史家の仕事であり 物語作家の仕事なんだ...

女の人が抱えた社会的な あるいは生理的な理不尽に対する被害者意識の爆発 それをヒステリーと定義する人もあった 爆発してあふれ出るネガティブな感情の奔流には 秩序がない 秩序とは自律する構造である 世界の混沌をそういった形式に落とし込むのは 歴史家の仕事であり 物語作家の仕事なんだ 女のヒステリーに悩まされた人が面白おかしくそれを書くことは 理性によって彼女の心に平穏を取り戻そうとする男の ひとつの祈りにほかならぬ マジなんだ だけど物語る行為にはいつだってうたがいの目がついてまわる それゆえに嘘つきは 寂しい人とかせっぱつまった人ばかり狙うわけだが それを思えば小説というのはじつにこう 罪のないものですな 信じるにせよ、信じないにせよ こんなものを書いて商売にするアホな人も世の中にはいるんですよと 笑っていれば、読者にはそれですむ話なんだから とはいえ、このヒステリー女は自殺したらしいんだけどね… 「苦の世界 その一」が発表された直後ぐらいに

Posted by ブクログ

2012/08/15

ダメ人間たちがくりなす悲しくもおかしい日常。リアルで考えてみたら悲惨な話なのに、それをやんわりとした文章で綴ることで、単なる私小説に終わらせない宇野浩二ってすごい。

Posted by ブクログ

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