- 書籍
- 書籍
新自由主義か新福祉国家か
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
新自由主義か新福祉国家か
¥110
在庫なし
商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大学の政治関連を専門にされている先生の政治評論。 よく勉強している内容になっているが、現場の声が聞こえてこないのはなぜだろう。 政治を専門にしていない大学の先生の政治評論の方が面白いのは、一つは現場を抱えているからではないだろうか。
Posted by
本書は2009年衆議院選挙での自公政権から民主党への政権交代の背景と民主党の内部勢力を分析し、今後の方向性を提起した書である。2009年12月に発行されたものであるが、鳩山政権から菅政権、野田政権と民主党の混迷の2年間を経ても、本書の分析と提案は、いまだに光って見えると感じた。...
本書は2009年衆議院選挙での自公政権から民主党への政権交代の背景と民主党の内部勢力を分析し、今後の方向性を提起した書である。2009年12月に発行されたものであるが、鳩山政権から菅政権、野田政権と民主党の混迷の2年間を経ても、本書の分析と提案は、いまだに光って見えると感じた。 本書によると、民主党の大勝は二つの力が合流した結果もたらされたという。一つは「構造改革をやめて欲しい」との声。もう一つは「開発型政治をやめて欲しい」との声である。「開発型政治」は旧来の自民党的勢力、「構造改革」は新自由主義的小泉構造改革に代表される勢力である。このねじれた関係が、どのように進行して結果として民主党の躍進につながったのかを本書は論証している。当然ながら自民党内にも「構造改革派と開発型政治派」がおり、民主党も同様である。単純な色分けではないことが、本書を読んで良くわかった。 また、民主党には三つの構成部分があるという。一つ目は民主党の執行部を構成する「新自由主義・自由主義派」である。彼らは民主党の「頭部」を構成している。二つ目は小沢派とも言うべき「開発型政治」を志向する民主党の「胴体」部分。三つ目は中堅議員グループの民主党の「手足」部分である。「頭部」は新自由主義的志向であり「右」を向く。「胴体」は開発型国家の「後ろ」を向く。「手足」は、反構造改革の「左」を志向しているとしている。これは、やや大雑把ではあるがわかりやすい分類であり、現在でも有効なのではないだろうか。 本書では、新自由主義と構造改革が何をもたらしたのかについて大きなスペースを割いているが、その恐るべき貧困化の進行には慄然とさせられる。その克服策として「福祉国家の構想」を提案しているが、やや漠然としていて読んでいてもあまりイメージがわいてこない。本書の白眉はその前半部分にあるのだろうと思うが、それでも高く評価できる本であると思った。 現在の日本においては、政治も経済も混迷を極めていると思う。その解決策もいろいろ言われるが、いまいち説得力に乏しい。それはこれまでの経過の分析自体が不十分であることも理由のひとつと思われるが、本書は、その点で重要な視点を提起していると思った。
Posted by
新自由主義批判の立場から書かれている。 民主党の分析や、新自由主義の弊害を描き出している部分では大変参考になるが、肝心の福祉国家の構想がお粗末すぎるかと。
Posted by