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二つの祖国(三) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2009/09/01 |
JAN | 9784101104478 |
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二つの祖国(三)
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商品レビュー
4.2
21件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読了に大分時間がかかってしまった。 本編の主人公の天羽賢治は極東国際軍事裁判のモニターとして、法廷に臨むが、戦勝国と敗戦国の不当な裁判に忸怩たる思いで臨む。 物語は裁判の描写と賢治の私生活面での描写を交互に綴っていく。 裁判描写では、読書中に眠くなった。 賢治の新聞社勤務時代のかつての同僚の椰子は両親と共に日本に戻り、原爆の被爆者となり、奇跡的に助かったが、両親を失った。 椰子の妹の広子はアメリカに残り、原爆の被害からは逃れた。 妹と両親の墓参りに行った椰子は広子から、アメリカが原爆調査機関を作り、被爆者を治療するのではなく、モルモット替りに調査しているという話を聞いて、人種的偏見も甚だしいと、怒りで体が震えた。 賢治は日本にいる間、椰子と深い仲に成っていく反面、妻のエミーとは心が離れて行く自分に煩悶する。 戦争が終わってからも、祖国日本とアメリカの間で苦しむ日系二世の賢治の心の葛藤は続く。 次巻の四巻目は後半の東京裁判へと続く。また、妻エミーとはどうなるのか? そして椰子とはどうなるのか? 闇市で稼ぎ、成金となった賢治の弟の忠は? 最終巻も気になる。
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3巻は、終戦からGHQの進駐、そして東京裁判を中心に物語が進行する。 主人公のかつての同僚で、密かに想いを寄せていた女性は原爆投下時、広島にいたが奇跡的に助かり、主人公と再開する。 そして、主人公は、東京裁判にモニター(通訳が合っているかどうかダブルチェックをする人)として立...
3巻は、終戦からGHQの進駐、そして東京裁判を中心に物語が進行する。 主人公のかつての同僚で、密かに想いを寄せていた女性は原爆投下時、広島にいたが奇跡的に助かり、主人公と再開する。 そして、主人公は、東京裁判にモニター(通訳が合っているかどうかダブルチェックをする人)として立ち会う。 東京裁判では、勝者が敗者を一方的に裁くという一貫した進行に主人公は違和感を覚える。 日本は侵略戦争をしかけたと一方的に非難され、他方でアメリカの原爆投下については裁判上の記録から削除される。 そして、戦前戦時中は、あれだけ日本政府、軍部を称賛していた日本のマスコミは、掌を返したように日本批判、反日の報道を始める。 アメリカGHQの一員として、東京裁判に関わっている主人公は、アメリカと日本、二つの祖国の板挟みにあって、悩み苦しむ。 アメリカ人からは、ジャップと呼ばれ、日本人からは薄汚い裏切り者と言われる。 そんな主人公の苦悩を理解せず、日系二世にも関わらず反日思想の妻に、主人公は愛想が尽きて、かつての同僚の女性に心が惹かれ、2人は結ばれる。が、主人公は結局プライベートでも、どっちつかずの態度をとってしまう。
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東京裁判のモニターとして、法廷に臨む賢治。 裁判長、連合国側の検察官、日本人の被告、日本人の被告を弁護する弁護士。 太平洋戦争への様々な思惑がみえてくる。 アメリカ国籍を持ちながら、日系二世でもある自らの存在をもとに、限りなく公平にモニターとしての職務に徹しようとする賢治。 ...
東京裁判のモニターとして、法廷に臨む賢治。 裁判長、連合国側の検察官、日本人の被告、日本人の被告を弁護する弁護士。 太平洋戦争への様々な思惑がみえてくる。 アメリカ国籍を持ちながら、日系二世でもある自らの存在をもとに、限りなく公平にモニターとしての職務に徹しようとする賢治。 それが賢治を悩やませ、苦しませる… 日本兵が連合軍の捕虜や女性に行った残虐行為。アメリカが日本の敗戦がほぼ決まった中での広島、長崎での原爆投下。 どちらも許されない。 日本にだけ非があるとするのではなく、日本をそこまで追いやった側の非も追求する日本側弁護団の正義。 戦争、そこに至るまでの経緯… 一方だけに非があるわけではないのか… ロシアとウクライナ、どうなんだろう。 そんな中で想い悩む賢治… エミーとのすれ違いの中、椰子に安らぎを求めていく… エミーに椰子との関係を知られることとなり、エミーの身に起こった悲劇を知った賢治。 3人の関係はどうなるのか… ヤミ屋として、才覚を現す忠。 賢治と忠、分かり合える日は来るのか…
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