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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2009/06/20 |
JAN | 9784334751852 |
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道徳の系譜学
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道徳の系譜学
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商品レビュー
4.1
16件のお客様レビュー
ニーチェの生涯における究極のプロジェクトは「善と悪の価値を逆転させ、ひいては西洋全体の価値観を転倒させること」だった。本書はこのニーチェの計画の核となる考えを著したものである。 ニーチェはこの転倒を成すために、まず「善とされているもの」「悪とされているもの」がどのように成立して...
ニーチェの生涯における究極のプロジェクトは「善と悪の価値を逆転させ、ひいては西洋全体の価値観を転倒させること」だった。本書はこのニーチェの計画の核となる考えを著したものである。 ニーチェはこの転倒を成すために、まず「善とされているもの」「悪とされているもの」がどのように成立してきたかを明らかにした。 人間が社会生活を始めたのと同じくして、人間は「責任を引き受ける」という社会性を身につけた。そしてこの知はやがて社会に生きる人間にとっての支配的な本能となり、「良心」と呼ばれるようになった。 社会はこれを成員に守らせるためにさまざまな方法をとり、これが徹底されることで人間は安全性を手に入れた。 しかし文明は人間に無償で幸福を齎したわけではなかった。社会の中で生きる代価として、人間が自らの欲望を棄てて生きることをきょうようしたのだ。 これが、個人にとっての善が社会にとっての悪となり、社会にとっての善が個人にとっての悪となるという善悪の逆転であった。そしてこれはルサンチマンの感情がもたらした転倒だったとニーチェは指摘する。 上記が本著におけるニーチェのコア・メッセージだと理解した。とはいえこれですべてが網羅できているわけではないと思う。 西洋古典独特の抽象的な題材かつ、婉曲的な表現が山盛りなので、決して読みやすい本ではないが、人類の本質的テーマである「道徳」の理解には欠かすことができない本だと思う。
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ニーチェは、今の日本人こそ読むべきだと思う。言葉の一つ一つが自分に向けられているかのように刺さってくる。 中二の頃、岩波文庫で読んでいたときと違って、訳が新しいとニーチェでもものすごく読みやすくなっている。これは論文というよりむしろ詩と言った方がいいかもしれない。
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第一論文は語源的に、良いと悪い、善と悪の系譜をたどっていく。これまでのニーチェの直感的、詩的な記述に比べ、論理的な記述が明晰である。 第3論文まで読んで、人間の底無しの深淵を覗き込んだような気がした。すごい筆力だった。 ヨーロッパとキリスト教、そして学問体系に挑み、瓦解させ、...
第一論文は語源的に、良いと悪い、善と悪の系譜をたどっていく。これまでのニーチェの直感的、詩的な記述に比べ、論理的な記述が明晰である。 第3論文まで読んで、人間の底無しの深淵を覗き込んだような気がした。すごい筆力だった。 ヨーロッパとキリスト教、そして学問体系に挑み、瓦解させ、それでも、さらに生きよと言う。恐ろしい本だ。
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