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限りなく透明に近いブルー
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限りなく透明に近いブルー
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商品レビュー
2.8
30件のお客様レビュー
ドラッグとセックスと暴力に明け暮れた若者の混沌とした世界の、たまに見える清らかな描写がとても良かった。ドラッグによる幻覚と爆発的な感情が同じ温度で平坦に描かれていて、なにがほんとうなのか、正しい世界と幻想の世界の境界は曖昧なのかもしれない。
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主人公リュウ。想像しただけできたないことだらけで、若さをおおきくかいたかんじ。 note 又吉、夜を乗り越えるから派生。
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何度目かわからない再読。村上龍衝撃のデビュー作。1976年当時の原色の街・福生を舞台に繰り広げられるドラッグとセックスの饗宴。この小説で注目すべき点は「視点」の圧倒的な「清潔感」だろう。実際やってることはかなりえげつない。黒人との乱交パーティー、電車の中での半レイプ、繰り返される...
何度目かわからない再読。村上龍衝撃のデビュー作。1976年当時の原色の街・福生を舞台に繰り広げられるドラッグとセックスの饗宴。この小説で注目すべき点は「視点」の圧倒的な「清潔感」だろう。実際やってることはかなりえげつない。黒人との乱交パーティー、電車の中での半レイプ、繰り返される嘔吐、自殺未遂、腐ったパイナップル・・・汚くてしょうがないあれこれが主人公「リュウ」の眼を通すと現実感が失われ圧倒的な清潔感が生まれるのだ。「リュウ」はちゃんとした人格を持った一人の青年だが、その視点はカメラ・アイのような役割を持っている。今にも壊れてしまいそうな詩的な感性とその清潔感がこの小説に芥川賞を取らせたのだと思う。それと特筆すべきは執筆当時の風俗を歴史資料のように知ることができる点だろう。時々挟み込まれる音楽・薬物ネタ。ドアーズやローリングストーンズならともかくバーケイズなんて今ではあまり名前が挙がってこないし薬物にしてもメスカリンやニブロール、ボンドで遊んでいる奴なんて現代においてはそうそういないだろう。それと登場人物の古臭いセリフ回し。「味噌汁だけでも吸おうと思った」「おれミルクなしやからなあ」など現代ではあまり使わない言葉だろう。 万人にはお勧めできない超問題作だが、合う人にはとことんフィットしてくれる作品だろう。俺が思うにこの作品のような路線を続けていたら村上龍は自殺していただろう。それほど壊れやすい感性がこの作品を成り立たせている。
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