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まほろ駅前多田便利軒 文春文庫

三浦しをん【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2009/01/08
JAN 9784167761011

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まほろ駅前多田便利軒

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商品レビュー

3.8

1342件のお客様レビュー

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2024/04/08

「あんたはきっと来年忙しくなる」 「旅をしたり、泣いたり笑ったりさ」 「とてもとても遠い場所。自分の心の中ぐらい遠い」 まほろ駅前の便利屋の多田が依頼を受けて「息子」として見舞いに行った曽根田のおばあちゃんの予言だ。 新年早々、多田は子犬を預りながら、市バスが間引き運転をしていな...

「あんたはきっと来年忙しくなる」 「旅をしたり、泣いたり笑ったりさ」 「とてもとても遠い場所。自分の心の中ぐらい遠い」 まほろ駅前の便利屋の多田が依頼を受けて「息子」として見舞いに行った曽根田のおばあちゃんの予言だ。 新年早々、多田は子犬を預りながら、市バスが間引き運転をしていないか監視をするという仕事をしていた。ふと気付くと子犬がいない。と、バス停のベンチに座っている男の膝に子犬は抱かれていた。 「お前、多田だろ」 その男は高校時代の同級生、行天だった。小指の傷で分かった。高校の工芸の時間、裁断機を使っていたとき、同級生がふざけていて、小指がスパッと飛んだ時の傷跡である。行天はその時すぐに拾ってくっつけたので、くっついてはいるが、いつまでも生々しい傷跡を残していた。 行天は小指が飛んだ時に「痛い」と言った以外は、高校時代、全く言葉を発しなかった。  だから、行天は高校時代、多田だけでなく、誰とも友達ではなかったのだが、何十年ぶりかであったその夜、自分から話しかけてきたのだ。 「あんた、今何の仕事してんの?なあなあ」とちゃらけた感じで。 真冬なのに、素足にサンダル。「今晩、多田の事務所に泊めてくれ」と言う。 二人ともずっとまほろ市にいたのに、高校卒業後会わなかった。行天は多田の予想に反して結婚歴があり、子供も一人いるということだった。多田は順調に幸せな人生を歩んでいるという行天の予想に反して、離婚して子供はいなかった。そして、大学を卒業して順調に就職したにもかかわらず、今は便利屋をしていた。行天は今は家族はおらず、帰るところも無いようだった。 そのまま行天は多田の事務所に居候を続け、たいして役に立たない従業員として働いた。 まほろ市は東京の町田市がモデルになっているそうである。 東京か神奈川かどっちつかずの町。夜はヤンキーであるれる町。東京都南西部最大の住宅街、歓楽街、電気街、書店街、学生街。スーパーもデパートも商店街も映画館もなんでも揃い、福祉と介護制度が充実している。まほろ市民として生まれた者は、なかなかまほろ市から出て行かず、一度出て行ってもまた帰ってくる割合が高いそうだ。 そんな、まほろ市の「便利屋」多田のところには、さまざまな依頼がくる。大抵は自分でやれないことはないのに人にやってもらいたい依頼。 依頼者の代わりに動物を預かったり、探し物をしたり、家族の送迎をしたり、物置の片付けをしたり、人を匿ったり…。 「便利屋」の仕事を通して、様々な人間模様が見えてくる。一見「教育ママ」でありながら子供に無関心な親。その結果、知らぬ間に闇バイトに巻き込まれている子供。DV、風俗、暴力…。 多田も行天も心に深い傷を負っている。そのため淡々としているが、実は傷ついた分、誰かを愛そうと無意識のうちにしているのが分かる。だから二人の行動は滑稽だが暖かい。 「旅に出るよ」と予言があった割には、「まほろ市」の中から出ず、まほろ市の中を深く、そして人の人生の過去を深く旅する小説だった。

Posted by ブクログ

2024/04/04

非常にわかりやすく小気味のいい文章でとても読みやすかった。話もおもしろい。登場人物は少なくはないけれども、性格や価値観などをもとにしっかりと書き分けられてるから、「あれこれ誰だっけ」とならなかった。 行天の暗い過去に触れつつも、多田の救済がメインとなった1作という感じかな。本当...

非常にわかりやすく小気味のいい文章でとても読みやすかった。話もおもしろい。登場人物は少なくはないけれども、性格や価値観などをもとにしっかりと書き分けられてるから、「あれこれ誰だっけ」とならなかった。 行天の暗い過去に触れつつも、多田の救済がメインとなった1作という感じかな。本当にそんな経験をしたんだろうかと思えるくらい、心理描写が丁寧で、読みながらも想像が掻き立てられて、終盤の多田の告白と行天の台詞にはグッとくるものがあった。

Posted by ブクログ

2024/03/30

激しい展開や心揺さぶられるようなことは無いけれども、連続ドラマを見ているように目が離せない感じ。 ふたりが頭の中で不器用に動く姿が浮かんできて微笑ましくもあった。 つづき、よみたいかも。

Posted by ブクログ

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