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ナショナル・ストーリー・プロジェクト(2) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/12/22 |
JAN | 9784102451120 |
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ナショナル・ストーリー・プロジェクト(2)
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商品レビュー
3.7
13件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これが、アメリカの姿。 ポール・オースターのラジオ番組の企画、第二弾。戦争だったり愛だったり、様々なアメリカにいる「わたし」のストーリーが語られる。最後に収められた「ありきたりな悲しみ」のラジオについての投稿が、まさにこのプロジェクトを語っていると思う。 後書きによるとこの本の出版は2001年9月13日。プロモーションでは9.11に触れて、アメリカが「なぜ嫌われ」もしくは「評判は悪くなる一方」なのか、アメリカとは、自分たちは何者で何を考え何を信じているかを問い直す時に出版された、と書かれている。文庫本のための後書きによると、その時はオバマ氏が大統領になった頃で、アメリカ人はもちろん世界が「アメリカの理念に対する期待と信頼をふたたび取り戻しはじめて」いる頃のようだ。ここにあるアメリカは、温かく、時に滑稽で、くすりと笑える愛おしさを備えている。 しかし、今、オバマ氏の次の次の大統領が選ばれようとしているアメリカの姿は、もうどう表現していいのかわからないほどの混乱と失望と対立の真っ只中だ。ここに声を届けてくれた人たちにも、信じるものがあり、失いたくないものがあり、そのために今戦っているかもしれない。 アメリカは(アメリカだけではないけど)声に満ちている。声が響き渡っている。願わくば、わたしが何者かを語る声が、相手を傷つけるためのものにならないように。ラジオから流れる、孤独な人に寄り添うような声であるように。
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(01) 物語たちの半分ほどを読み進めた頃,ふと柳田國男の遠野物語のことを思い出した.本書は,読み方によっては現代アメリカの遠野物語になるのかもしれない. 泣ける話,笑える話にも事欠かないが,それ以上に奇妙な話(*02),奇跡的な話に驚かされ,それらの物語は,人物や物事の先や上に...
(01) 物語たちの半分ほどを読み進めた頃,ふと柳田國男の遠野物語のことを思い出した.本書は,読み方によっては現代アメリカの遠野物語になるのかもしれない. 泣ける話,笑える話にも事欠かないが,それ以上に奇妙な話(*02),奇跡的な話に驚かされ,それらの物語は,人物や物事の先や上にある何物か,それはおそらく原題には残る神を示唆するものなのだろう.その意味では,神の跡を示す物語たち,つまり現代の神話篇と呼びたくなるような仕上がりにもなっている. なぜラジオなのか,不特定の人々に,不特定の物語を募るプロセスが,神の降誕には必要な手順であり,儀式であったのかもしれない.瞑想の最終話にはラジオならでは啓示性が現れている. (02) オカルトめいた信仰告白集でもある.リアルなストーリーという点では,2010年前後の日本のテレビに現われた「松本人志のすべらない話」に似通った魔圏が形成されている. 本当か本当でないか,それは他人によってはもちろん,語る本人や語られる当人にとっても証明することはできない.作り話ではない,が前後関係,因果関係はそれが過去の語りである以上,あとから付け加わる箇所もあり,話として整えられ美化される箇所もあり,信じていたいたいという吐露が言葉に現われる箇所もある.こうして語り手によって時間をかけて織られた文章は,どこに作用するのだろうか. 本書は,ストーリーやヒストリーという問題系に意欲的に,そして実践的に取り組んだ作品でもある.
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事実は小説よりも奇なりという使い古された表現は使いたくなかったけど、そうとしか言いようがない草の根レベルのアメリカが見えた。
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