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おはん・風の音 改版
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おはん・風の音 改版
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
岩国に旅行に行くことになった。 宇野千代は桜のハンカチなどを持っていたが、読んだことはなかったので代表作を。 あの時代らしい、自分勝手な男とおとなしい妻と気が強い妾の話が2編。 妻はどちらも育ちが良く控えめだけれど、作者自身は恋愛に奔放というか自分の心に正直なのが面白い。 この時...
岩国に旅行に行くことになった。 宇野千代は桜のハンカチなどを持っていたが、読んだことはなかったので代表作を。 あの時代らしい、自分勝手な男とおとなしい妻と気が強い妾の話が2編。 妻はどちらも育ちが良く控えめだけれど、作者自身は恋愛に奔放というか自分の心に正直なのが面白い。 この時代の女流作家って、私生活はエネルギッシュな印象。 因みに宇野千代生家は苔の庭がとても美しかった。
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二人の女性を往き来する男、その先に待つ悲しい結果。およそ現代では想像し難いが、花柳界という背景のうえで成り立つ、他者の視線に翻弄されない人の自然な営みと思える。創作方言が異世界に誘ってくれる。
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「失恋するたびに号泣しながら近所を徘徊する恋愛上級者」「オリーブオイルが美容液のキュートなおばあちゃま」というイメージだった宇野千代。エッセイしか読んだことがなかった私にとっては初の小説作品となった。「おはん」も「風の音」も、どちらも登場する男は女房から離れて妾か正妻かよくわから...
「失恋するたびに号泣しながら近所を徘徊する恋愛上級者」「オリーブオイルが美容液のキュートなおばあちゃま」というイメージだった宇野千代。エッセイしか読んだことがなかった私にとっては初の小説作品となった。「おはん」も「風の音」も、どちらも登場する男は女房から離れて妾か正妻かよくわからない女と関係を保ち、いずれその三角関係(時に子どもを含んだ四角関係)は脆く崩れていく。女房の立場にある女の積極的なまでの受身さ(語弊ではない)が現代の感覚からすると異常に見えるけれど、「何も感じないでいること」とは、何も感じないでいようという強靭な意志がなければ出来ないことではないのだろうか。
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