弟に借りた本。 完全に騙された。全く気付かなかった。でもよく考えたら、ほんのちょっと、ん？と思った箇所があった。気のせいかと思って読み進めたけど、それは伏線だった。 自殺なのか、他殺なのか、なぜなのか、3人の自殺をきっかけに、その背景を記者が探っていく話と、一年後に死ぬと決めた女性の話。 本とは全く関係のない話だけど。 これを読む数か月前に有名な俳優さんが自死され、 これを半分読んだ頃にまた有名な女優さんが自死（おそらく）された。 どちらも好きな俳優さんで、一般人の私から見たら成功している方と思っていたから、どうして自死を選んだのか、「なぜ？」っていうのが頭から離れなかった。真相を追求したいとかではなく、ただ漠然と「なぜ」って気持ちがずっとある。 そんな時に半分まで読んだこの本が目に入って、これも自殺を選ぼうとしている人の話なんだなって気づいた。なんとなく、読んだら「なぜ」が解消されたりするかなと。そこから一気読みした。 当たり前だけど「なぜ」なんてその理由は人によって違うのだから、お二人のなぜが解決したわけじゃない。けど、なんとなく納得できたようにも思う。不思議な感じ。なんでもいいから答えがほしかっただけなんだと思う。 少なくとも、この話の中では生きてくれた人がいた。フィクションの中でも生きることを選んでくれた人がいたのが心強かった。話としては、死ぬことを選んだとしても、それはそうする理由があったし、満足できると思って読んでいたけど、生きてくれて本当に良かったと読後に思った。 たまたま現実のそういうニュースと重なったから、こんな読み方をしたけど、普通に小説としてとても面白かった。