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林檎と蛇のゲーム
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林檎と蛇のゲーム
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商品レビュー
3.7
34件のお客様レビュー
01:多少ご都合主義的展開かなあとは思いましたが、父と水野さんの過去やツルちゃんとの友情など、読んでいてじんわりと「いいなあ」と思えるお話でした。それだけに、五条たちの「土壇場のイイ人」っぷりが浮いてしまって、ストーリーに入り込めない部分もありましたが。別名義でゲームのノベライズ...
01:多少ご都合主義的展開かなあとは思いましたが、父と水野さんの過去やツルちゃんとの友情など、読んでいてじんわりと「いいなあ」と思えるお話でした。それだけに、五条たちの「土壇場のイイ人」っぷりが浮いてしまって、ストーリーに入り込めない部分もありましたが。別名義でゲームのノベライズなども書いていらっしゃるようで、プロの方なのか、というのは読み終わって納得。次回作にも期待したいです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
以前、日テレ系の『超再現ミステリー』の中で取り上げられていた記憶があり、 読んでみたいなあと思っていた本。 数日前、図書館で見かけて、読んでみる気になり、借りてきました。 中学3年生の名取珠恵は、船の設計士であるイケメンパパ・名取康孝と、拾ってきた白猫ミルクちゃんとの二人と一匹暮らし。 『悲しみよこんにちは』(サガン)のセシルとレエモンのような父娘ですね。 2階のパパの寝室に繋がるバルコニーからは海が見えるし、まさしくサガンの世界!海辺の爽やかな雰囲気を感じます。 ↓ パパの恋人?謎の女が現れて不穏が走る。 水野鈴奈の立ち位置は、「悲しみよ~」でいえば、アンヌあたりか。 媚びを売らない無愛想な水野と、母親を気取って干渉してくるアンヌとでは正反対だけれど。 ↓ 猫失踪、残虐な死体で発見。占い師殺人(未遂)事件。 急にミステリーっぽくなってきた!! ああ、そういえば、この話ってミステリーなんだっけ。 珠恵、水野と逃亡。水野さんのことを少しずつ信頼し始める。 ↓ パパの暗い過去。水野との秘密。 今度は、少年少女の冒険譚に。ミステリーから、また爽やかな青春小説に戻りましたね。 ボーイ・ミーツ・ガール~♪(byTRF) ↓ ヤクザの親玉・五条の登場で、いよいよ、タイトルの「林檎と蛇のゲーム」が登場。 *林檎(一億円)=禁断の果実(りんご) *蛇=五条 禁断の果実を食べてはいけない……みたいな。 中窪との約束を果たそうと、何が何でも一億円には手を出すまいとしている康孝少年。 対して、彼が誘惑に負けて一億円を使ってしまうように仕向ける五条。 この関係は、『走れメロス』(太宰治)のメロスと暴君ディオニスに通じるところがありますね。 ↓ 水野が過去を語っているあいだに、占い師事件は思わぬ方向へ。 誰の陰謀か、事件の容疑者としてニュースに取り上げられてしまった珠恵。 誰も信じてくれるひとはない……という孤独感は、『八つ墓村』(横溝正史)の寺田辰弥のよう。 サスペンス要素が強まり、なんだかドキドキしてきましたよ。 ↓ 紳士的なヤクザ、井川さんの協力のもと、事件は解決へと向かっていきます。 占い師の家へ忍び込んだ空き巣が捕まり、変わり果てた中窪とも再会。 そして、占い師の正体が明らかに!! 珠恵も無事容疑が晴れ、こうして元通りの平和な暮らしが戻ったのでした。めでたしめでたし。 ゲームに隠された意味や最後の珠恵のセリフなど、少々哲学的なところもまた深いですね。 もしも突然一億円が手に入ったら?というありがちな質問をテーマに、お金とはなにか、お金を使うのと使わないのとどちらが難しいのか、ということを問いかけてきます。 ただ、占い師宅の事件は空き巣の犯行だとして、ミルクちゃんを無残にも殺害したのは本当にあの占い師だったんでしょうか? 麻薬所持で捕まった占い師が、件の一億円を送り付けられたあとのことも気になります。一体どんな反応をしたんだろう。 あと、水野さんはパパ(康孝少年)の船に乗せてもらったけれど、中窪は乗せてもらえたのかなあ、とか。 水野さん、やっぱりパパのこと好きだったんじゃないかなあ、とか。 珠恵とも打ち解けたようだし、パパと水野さんの再婚もあるんじゃないかなあ、とか。 (でも、井川さんと復縁する可能性もなくはないかも……) 青春小説に始まり、残虐な描写もあり、ミステリー、サスペンス、冒険譚、ドキドキハラハラの逃亡劇、そして哲学的要素もあり、すごくおもしろかったです。 ただ、最後にほのめかして終わりというか、「ああ、この子たちどうなるの!!」ってじれったくなる終わり方だったので、続編を期待して☆4つです。
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何年か前のこのミス大賞を惜しくも逃した作品に加筆された物を読んでみた。この作者はライトノベルを別のペンネームで発表している人らしく読みやすい軽い文体ながら文章力があるのは読んでいて分かる。交通事故で母を無くした主人公が、父の海外出張中に事件に巻き込まれるところから物語は始まる。父...
何年か前のこのミス大賞を惜しくも逃した作品に加筆された物を読んでみた。この作者はライトノベルを別のペンネームで発表している人らしく読みやすい軽い文体ながら文章力があるのは読んでいて分かる。交通事故で母を無くした主人公が、父の海外出張中に事件に巻き込まれるところから物語は始まる。父親の元恋人が出てきたり、彼女から知らなかった母親の様子を聞く事が出来るなどお話はそこそこうまく作られているので、まあ読んでよかったかなという感じの小説ではありました。 軽いサスペンスをお探しの方にはちょうど良いかもです。
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