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1973年のピンボール
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1973年のピンボール
¥1,265
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商品レビュー
3.4
49件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
配電盤に送る 「 哲学の義務は、 」 と僕はカントを引用した。 「 誤解によって生じた幻想を除去することにある。 ......配電盤よ貯水池の底に安らかに眠れ。 」 「幸せとは温かい仲間」 いずれは漠然とした海に流れ込むしかない暗い川の流れだ。2度と巡り会うこともないのかもしれない。二十五年という歳月はただそのためだけに存在したようにも思える。何故だ?と鼠は自分に問いかけてみる。わからない。いい質問だが答がない。いい質問にはいつも答がない。 「でもきっと、あなたには荷が重すぎたのよ。」 それはまるで今年のふゆは雪が少ないからスキーはあきらめなさい、とでもいうときのような実にあっさりとした言い方だった。僕は諦めてコーヒーを飲んだ。 208と209なんとなく分かったつもりになれる 入口と出口 繰り返されるデジャブ
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読書会のために5年ぶりに再読。 今回の再読はとても新鮮でした。どうも私はピンボールのシーンが何かの映画とごちゃ混ぜになって記憶していたので、実際のピンボールのシーンにちょっとしびれてしまった 探していた3フリッパーのスペースシップに会いに行ったシーン、ネタバレになるのであまり...
読書会のために5年ぶりに再読。 今回の再読はとても新鮮でした。どうも私はピンボールのシーンが何かの映画とごちゃ混ぜになって記憶していたので、実際のピンボールのシーンにちょっとしびれてしまった 探していた3フリッパーのスペースシップに会いに行ったシーン、ネタバレになるのであまり言えないけど、 まず、「両手を上げて。」 向かう所から急にテクニカラー的な映像が迫ってきて、 しとしと雨の降ってる墓場的な鼠の世界からゴダールの映画みたいにジャンプカットされて… ウェス・アンダーソン的な世界が広がったんですよね、一瞬。 そして、ようやくピンボールとの会話で、ああ、そういうことかと気づいた私。。たぶん遅すぎ← プロローグに、1章がはじまる前にちゃんと書かれていました。 *これはピンボールについての小説である。 *物事には必ず入口と出口がなくてはならない。そういうことだ。 _僕は井戸が好きだ。井戸を見るたびに石をほうりこんでみる。小石が深い井戸の水面を打つ音ほど心の安まるものはない。_ 井戸というのはつまり、ピンボールマシンのコインを入れるところ。。 全てがピンボールというメタファの上に成り立っている小説だったんですね。 やっとそういうことが理解できて、鳥肌たちたちでした。2作目ですでに春樹ワールドが完成してた…凄くないですか?天才としか… あ、世界が知る天才なんでしたね春樹さん 配電盤のお葬式、良かったですよね。 双子と耳鼻科に行ったシーン、好きだった。 _11番ホールのドッグ・レッグは耳の穴を思い出させ、フラッグは綿棒を思い出させた。もっとある。月にかかった雲はB52の編隊を連想させたし、空の星はかびがはえたパセリの粉を連想させたし…もうよそう。_ こうして春樹さんの書く主人公たちは、井戸の入口からどんどん中へ奥へと入っていくことになるのですね。 そして直子への思いが募ります。 風の歌を聴け では、「カリフォルニア・ガールズ」だったけど、 今回は僕がふいてる口笛が最高♡ とくにスタン・ゲッツの「Jumpin’ with symphony sid」これは2回出てきた。 春樹さんはスタン・ゲッツがやっぱりお好き! 双子が買った「ラバー・ソウル」をかけるシーンもちょっと切なくていい。 …思わず自分用にプレイリスト作ってしまったほど、余裕のある再読だった。
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「風の歌を聴け」よりも好きだと思った。 「みんながそんな風に問わず語らずに理解し合ったって何処にもいけやしないんだ。」というのがとても印象深い。
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