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幻の大連 新潮新書

松原一枝【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/03/20
JAN 9784106102554

幻の大連

¥220

商品レビュー

3.6

5件のお客様レビュー

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2023/08/27

日本がかつてユーラシア大陸の東の端に持っていた植民地。日本は五族共和の大義を掲げて満州国という独立国家を作り清王朝復活を謳い皇帝溥儀を建てていた。だが内政も軍事も実質的には日本の関東軍や官僚の強い影響下にある傀儡国家であった。 本書タイトルの「幻の大連」とは幼き日々を満州国で生活...

日本がかつてユーラシア大陸の東の端に持っていた植民地。日本は五族共和の大義を掲げて満州国という独立国家を作り清王朝復活を謳い皇帝溥儀を建てていた。だが内政も軍事も実質的には日本の関東軍や官僚の強い影響下にある傀儡国家であった。 本書タイトルの「幻の大連」とは幼き日々を満州国で生活した筆者が、在りし日の美しい満州国の日常がどの様なものであったかを綴っている。彼の地は日本が日露戦争の勝利により、ロシアから99年借り受けたものとなっていたが、鉄道、道路から近代的な建築物などを整備し、さながらヨーロッパの様な街並みであったという。それもそのはず、ユーラシア大陸を横断するシベリア鉄道の東の終着点として、ヨーロッパから数日も旅をすれば訪れる事ができる場所になる。日本はここにヨーロッパへの入り口を作った。 筆者はその様な平和な時代から、中国人の家政婦を雇い暮らしている。それはたわいも無い日常生活、食事や学校の様子、更には旅行で訪れた場所など、美しく活気ある満州の暮らしが瞼の裏に浮かんでくる。まるでスクリーンに青々と映し出されるように鮮やかさがありながら、その描写一つ一つに少女が抱いていた疑問の影には常に日中間の暗い問題が付き纏っている。満州で日本が引き起こした数々の謀略、中国人の民衆に広がっていく反日感情。凡そ幼い少女ではその全体像や時代背景を理解するのは難しかったであろうが、漠然とした不安を抱く。筆者が本書を記したのは、そうした時代の裏側も歴史も理解した上でのことだから微妙な少女の心の中と戦争という血生臭く冷徹な歴史が入り乱れていく。白と灰色のコントラストで交互に繰り返される映画を見ているかの様な感覚に陥る。 現在では勿論中国の大連となっているが、ここは古くは日露戦争の激戦地としても名高い場所である。乃木希典将軍とロシア軍が死闘を演じた場所、その奪還のために何万人もの死者を出しながら勝利した203高地など今はただの観光地と化している。平和な時代になり、私の周りにも大連へ旅行に行く人もいるくらいだ(中々ビジネス以外で目指すとはマニアックでもあるが)。日本と中国の間で揺れた、かつての満州国の大地。そこに眠る多くの日本人へ現代中国の平和な姿、日本人観光客の姿が届いているだろうか。

Posted by ブクログ

2022/09/10

日露戦争に勝利した日本が明治39年5月大連を占拠した。その後、敗戦まで大連は日本が統治した町となっている。 ヨーロッパへの陸路として満州鉄道を敷き、 ヨーロッパに負けない国際都市という都市計画を建て、 数々の近代的な施設も作った。 当時を知る人の話では 「東京よりも近代的で洗...

日露戦争に勝利した日本が明治39年5月大連を占拠した。その後、敗戦まで大連は日本が統治した町となっている。 ヨーロッパへの陸路として満州鉄道を敷き、 ヨーロッパに負けない国際都市という都市計画を建て、 数々の近代的な施設も作った。 当時を知る人の話では 「東京よりも近代的で洗練された町だった」そうだ。 そんな華やかな大連時代を知る著者の見た大連を綴ったエッセイ。 女学生から見た大連のようすや文化 人々の生活 中国や朝鮮の人との関係 生活などが、飾らず描かれている。 うちの父親が子供の頃に大連に住んでいたという。 「死ぬまでにもう一度だけ大連に行きたい」 と言っていた父親と大連旅行に行ったことがある その旅行の前にこの本を読んでいたらよかったな…。

Posted by ブクログ

2014/01/30

蒼穹の昴以降、満州界隈にとても興味があって、関連書籍を見つけては読んでみてるけど、これもなかなか面白かった。実際にその地に生きた経験談を元に、歴史的事件を上手く絡めながら話は進んでいく。近所で起こった出来事もちょいちょい出てきて、随筆的要素も強いから、歴史の要点だけを求める向きに...

蒼穹の昴以降、満州界隈にとても興味があって、関連書籍を見つけては読んでみてるけど、これもなかなか面白かった。実際にその地に生きた経験談を元に、歴史的事件を上手く絡めながら話は進んでいく。近所で起こった出来事もちょいちょい出てきて、随筆的要素も強いから、歴史の要点だけを求める向きには合わないけど、読み物としてはなかなか楽しかったす。

Posted by ブクログ

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