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時計の社会史
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時計の社会史
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商品レビュー
4.4
9件のお客様レビュー
世界にかかわらず日本に触れてくれている。エピソード豊富で面白く読むことができる。最近の岩波新書のような中公新書だ(!?)。シンデレラに始まり、時計と、時間意識の浸透を探る。時間は神のもので、そのため利子は禁止されていた。修道院で発達した時計が、世俗化が進む中で労務管理などと相まっ...
世界にかかわらず日本に触れてくれている。エピソード豊富で面白く読むことができる。最近の岩波新書のような中公新書だ(!?)。シンデレラに始まり、時計と、時間意識の浸透を探る。時間は神のもので、そのため利子は禁止されていた。修道院で発達した時計が、世俗化が進む中で労務管理などと相まって都市化していく過程が描かれる。イギリス、日本の労働環境の過酷さ!一方メキシコの鉄道やインドの労働者のルーズな話が印象的。スマイルズの自助、ワシントンの秘書をこっぴどく叱る話など次第に厳格な時間観念が形成されていった。日本では奥の細道を手がかりに寺の鐘や簡易式日時計が説明される。旅行大好き日本!シーボルトも驚いているほどですって。和時計はすごい!セックスシティロンドン!聖月曜日。定時法に切り替える日本。
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1984年刊。著者は和歌山大学経済学部教授。◆時計には様々な種類が存する(日時計、水時計、砂時計)が、歴史的転換を促したのは機械時計。これを生み出した西欧(特に英国)自身の社会変容と、時計が流入した東洋(日中)の変容を、西洋中世史学者が読み解く。前者は①中世最晩期、大洋航海中の経度測定のために正確な機械時計を必要。②不定時法から定時法。時間概念の画一⇒時間が賃金の算定基準⇒時間の拘束という労働観の変容(産業革命という時代に適合)へ。日本では不定時法を変えないまま、時法に合わせて機械時計を改良する方向へ。 つまり、日本は、根本的なルールを変更できないまま小手先の技術的変容で満足。他方、中国は皇帝用の装飾重視の工芸品と化し、一般に普及しないのは勿論、社会的影響が僅少であった、とのこと。この点、時間の意味の歴史的変遷という観点から見て、①英国での近代的労働観に時計が与えた影響と、②日本の江戸時代、それも、元禄期においてすら既に広範に一般普及した時鐘によって「時間の公共性」が社会的に実現していた。この特殊な社会の存在が、後の近代的雇用制度を労働者側で受け入れられた、一つの社会的要因と看做す点は興味を引く。
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時計の発展史。日本や欧州でどのように時計が発展してきて、生活にどのようなインパクトを与えてきたかを考察している。
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