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野獣死すべし
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野獣死すべし
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商品レビュー
3.3
6件のお客様レビュー
しめやかな雨が、濡…
しめやかな雨が、濡れた暗い舗道を叩いている。深夜。止まっている車。近づく男。車の中から小さな銃声。『警部は眉間に小さい穴を開けて、崩れ落ちた。流れ出る血は見る見る雨に滲んで、濡れたペイブメントにとけていった』ヒーロー・伊達邦彦の登場である。1979年、28年前のことである。故人...
しめやかな雨が、濡れた暗い舗道を叩いている。深夜。止まっている車。近づく男。車の中から小さな銃声。『警部は眉間に小さい穴を開けて、崩れ落ちた。流れ出る血は見る見る雨に滲んで、濡れたペイブメントにとけていった』ヒーロー・伊達邦彦の登場である。1979年、28年前のことである。故人となった大藪春彦のデビュー作であった。当時彼は早稲田の学生で、センセーショナルな話題をさらった。拳銃、車、ファション道具立ては揃い、目的のためには手段を選ばない性格、緻密、冷酷無比。かくして舞台の幕が上がる。観念的であるが、今尚、
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伊達邦彦の初登場作品…
伊達邦彦の初登場作品。左翼にも右翼にも軽蔑の眼差しを向ける孤狼、それは日本におけるそれが本当の意味での支柱をもっていないニセモノだと見抜いていたからだろうか。ハードボイルドではない。伊達には正義も大義もない、ただ、それを振りかざす偽善者・既得権益者を破壊するのみである。そこに魅力...
伊達邦彦の初登場作品。左翼にも右翼にも軽蔑の眼差しを向ける孤狼、それは日本におけるそれが本当の意味での支柱をもっていないニセモノだと見抜いていたからだろうか。ハードボイルドではない。伊達には正義も大義もない、ただ、それを振りかざす偽善者・既得権益者を破壊するのみである。そこに魅力を見いだす人がいてもおかしくはないだろう。
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大藪春彦のデビュー作にして出世作。伊達邦彦シリーズなのかな?バイオレンスな詩のような短篇と、小説然とした「復讐編」の2作。個人的には中学1~2年の時に、図書館の文庫本をかたっぱしから読んでいて見つけて衝撃を受けた1冊でも有る。 ハードボイルド小説ではあるが、読むポイントは銃器や...
大藪春彦のデビュー作にして出世作。伊達邦彦シリーズなのかな?バイオレンスな詩のような短篇と、小説然とした「復讐編」の2作。個人的には中学1~2年の時に、図書館の文庫本をかたっぱしから読んでいて見つけて衝撃を受けた1冊でも有る。 ハードボイルド小説ではあるが、読むポイントは銃器や武器の描写の巧みさと、金融や会社経営(乗っ取り)に関する緻密なストーリーテリングで、この全く相反するような2点が無理なく書かれているところであろう。 また、主人公が「金狼」とは異なった、ダーティーヒーローであるところも魅力。大きなストーリー展開はシンプルなので、非常に読みやすくオススメである。 ただ、朝から「ぶ厚いポークステーキをビールで流し込んだ」り、「ゆでたまご10個をビールで流し込んだ」りするのは、作品的にはくすっと来てしまう。山下洋輔のエッセイでもパロディが何度も書かれているので、その影響も有るかもしれない。
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