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イングランド紀行(下)
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イングランド紀行(下)
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下巻ともなると、工業都市を北上していくので暗い記述になりがちです。それはそれとして貴重な観察記録ですが、プリーストリーの筆はそこで終わりません。たとえば、 今回の旅行で見いだした多くのイングランドの美点を私は思い浮かべた。一例として、イギリス人一般に見られる生まれつきの優しさや...
下巻ともなると、工業都市を北上していくので暗い記述になりがちです。それはそれとして貴重な観察記録ですが、プリーストリーの筆はそこで終わりません。たとえば、 今回の旅行で見いだした多くのイングランドの美点を私は思い浮かべた。一例として、イギリス人一般に見られる生まれつきの優しさや礼儀正しさがある。薄汚い工業の町で数日過ごしたときに見たよりも多くの下品さや自己中心的態度をウエスト・エンドの劇場で目撃したことがある。薄汚い工業の町のほうが、住民はどうしようもなく野蛮であると思われるが、実際はそうではない。みじめな失業生活を送っている夫婦が「でも私たちより不幸な人がたくさんいるんですから」と口にするのを私は何度耳にしたことか(p.299) というくだりなど、読んでよかったと思えるところです。
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