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戦争
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大正デモクラシー期に思想形成したはずだが、同世代の丸山真男らと対照的。「いつか来た道とは思わない」と、当時の左派のキャッチフレーズを容赦なく粉砕。戦場体験者だからだろうか直感めいたものがあるのかもしれない。でも核戦争や権力の横暴には強く警鐘を鳴らす。是々非々で社会を見つめているよ...
大正デモクラシー期に思想形成したはずだが、同世代の丸山真男らと対照的。「いつか来た道とは思わない」と、当時の左派のキャッチフレーズを容赦なく粉砕。戦場体験者だからだろうか直感めいたものがあるのかもしれない。でも核戦争や権力の横暴には強く警鐘を鳴らす。是々非々で社会を見つめているようだ。 「戦争に行かなかった人とは話が合わない、何か違和感がある」と語り、復員兵や特攻崩れの狼藉に共感を示すのが印象的。戦後を生きざるを得なかったた戦中派の人々の気持ちに寄り添っているように見える。
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語り下ろしという手法で編纂されたエッセイ。小説 俘虜記とセットで読むと、情報が補間、強化される。特に、戦前からの著者の就職事情や小林秀雄らとの付き合いに触れる事で、俘虜記の主役である著者自身の背景を色濃く知る事ができる。
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大岡昇平の戦争前後に渡る体験談。野火と俘虜記を読了された方にお薦めします。 内容はやはり暗いのですが、口語体なのでどこかしれっとしていて、却って現実味を持てるというか、「生の声」といったような近しい感覚で読めました。 大岡昇平がスタンダリアンだと知って『野火』が理解できたような...
大岡昇平の戦争前後に渡る体験談。野火と俘虜記を読了された方にお薦めします。 内容はやはり暗いのですが、口語体なのでどこかしれっとしていて、却って現実味を持てるというか、「生の声」といったような近しい感覚で読めました。 大岡昇平がスタンダリアンだと知って『野火』が理解できたような気がします。 特に俘虜体験の章が興味深いです。 「初めは俘虜生活そのものを書くつもりだったんですが、結局、収容所の中でアメリカ人に飼われてキャッキャといってた状態と、民主主義だとかなんとかいわれてワイワイやってる現在の状態(GHQ占領期)と同じではなかろうか、どうもあらゆる点でよく似ているぞということに気がつく訳ですね」 「日本全体が強制収容所なんだ」(マッカーサー) 「戦場から我々には何も残らなかったが、俘虜生活からは確かに残ったものがある。そのものは時々私に囁く。「お前は今でも俘虜ではないか」と」 「俘虜収容所の事実を籍りて、占領下の社会を風刺するのが意図であった」 あとがきにはインタビューをした70年代当時の風潮が色濃く窺えます。
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