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スローターハウス5

カート・ヴォネガット(著者), 伊藤典夫(著者)

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定価 ¥990

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房/早川書房
発売年月日 1978/12/01
JAN 9784150103026

スローターハウス5

¥550

商品レビュー

4.1

145件のお客様レビュー

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2024/01/04

ヴォネガットの半自伝的名作。 ありとあらゆる理不尽を「そういうものだ」と一言で言い表すセンスに脱帽。 戦争を肌で体験している人にしか描けない境地。

Posted by ブクログ

2023/12/30

作者が戦時中に体験した事実に基づいた半自伝的SF小説。戦争をはじめとする、作者が直面した目を覆いたくなるほど辛い体験の数々。そこから目を逸らすのではなく、「そういうものだ」と受け止め、それでも楽しかった瞬間を思い出して(あるいは、その瞬間を訪れて)前を向いて歩んでいきたい。そんな...

作者が戦時中に体験した事実に基づいた半自伝的SF小説。戦争をはじめとする、作者が直面した目を覆いたくなるほど辛い体験の数々。そこから目を逸らすのではなく、「そういうものだ」と受け止め、それでも楽しかった瞬間を思い出して(あるいは、その瞬間を訪れて)前を向いて歩んでいきたい。そんなメッセージを感じる、とても素晴らしい作品だと感じました。 最近「歌われなかった海賊へ」を読んだばかりだったこともあり、精神的にキツいところもあったのですが、別の視点から戦争を知ることができたことは、貴重な読書体験がでした。 SF作品として見ると、小松左京「果しなき流れの果に」や、今敏の映画「千年女優」に近いかもしれません。異なる時代を旅しながら人生を見つめ直す面白さは独特の味があり、タイムトラベルものとして非常に優れた作品だと思います。

Posted by ブクログ

2023/12/24

カート・ヴォネガット・ジュニアの代表作である『スローターハウス5』。トラファマドール人という架空の異星人が登場するSF小説の体裁を借りながら、作者の死生観を表現したものだ。そこにはドレスデンの空襲の体験が色濃く映されている。彼の母親は、ヴォネガットが第二次世界大戦に兵卒として志願...

カート・ヴォネガット・ジュニアの代表作である『スローターハウス5』。トラファマドール人という架空の異星人が登場するSF小説の体裁を借りながら、作者の死生観を表現したものだ。そこにはドレスデンの空襲の体験が色濃く映されている。彼の母親は、ヴォネガットが第二次世界大戦に兵卒として志願し、そしてドイツ戦線に送られることを苦にして自殺をしたとも言われている。そんな形で送られたドイツで捕虜として囚われて収監されたドレスデンで、多くの一般市民を巻き込むドレスデンの空襲を体験した。そのことがこの小説家の死生観を形づくり、その空襲体験をモチーフにして小説の形でしか表現しえない形でその死生観を表現したのが、この『スローターハウス5』という小説だと思う。 主人公のビリーは、トラファマドール人につかまり、人生の中をけいれん的時間旅行者として行き来するものとなる(unstuck in time ... 時間のなかに解き放たれた、と訳されている)。この小説の中のトラルファマドール星人は、自由意志を信じていない。トラルファマドール星人には過去も現在も未来もすべてすでに起きたことであって、変えることはできない。誰かが死んだとしても、その時点までは存在していたのであり、存在自体は変わらない。だからこそビリーは自分の死がどういう形で来るのかも知っておきながら、人生の中の時間を時系列に囚われずに「行き来する」のである。そこには多くの死が横たわっている。主人公のビリーも、ヴォネガットと同様にドレスデンで空襲に遭い、多くの死体の間を歩いた。 トラルファマドール人の死生観は次のようなものだ。 「人が死ぬとき、その人は死んだように見えるにすぎない。過去では、その人はまだ生きている。あらゆる瞬間は、過去、現在、未来を問わず、常に存在してきたのだし、常に存在しつづける。あらゆる瞬間が不滅である」 その死生観は近代的自我から導き出される死生観とも、宗教から生み出される死生観とも異なる。より絶望的でもあるし、より静謐なものであり、倫理的であるようにも思われる。そのような観念を持たなければ、もはやどうやって死を耐えることができるのか。主人公の前で滑稽な死もシリアスな死も、死が訪れるたび「そういうものだ(so it goes)」とつぶやかれる。 著者は次のように語る。 「これは失敗作である。そうなることは最初からわかっていたのだ、なぜなら作者は塩の柱なのだから」 作者は、神の言いつけに背いたものとして罰を受けたのだろうか。後ろを振り返って見たものは何だったのか。 トラルファマドール人は身長二フィートで、全身が緑色で、吸い上げカップのカップを地上に付けていて、先端には手がついており、その手のひらには、緑色の眼が一つある。村上春樹の最新小説『街と不確かな壁』の中で、若かりし主人公と文通する彼女が手のひらに目玉が出てくる夢を見るが、その描写は村上春樹の小説へのある種のオマージュであることを自分は疑わない。 どちらの作家も小説の深さを自由さと示し、小説というものが世界に対する考え方を揺さぶることができるものであることを体現するものである。 ----- 『街とその不確かな壁』(村上春樹)のレビュー https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4103534370

Posted by ブクログ

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