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池澤夏樹の旅地図

池澤夏樹【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界文化社/
発売年月日 2007/03/05
JAN 9784418075041

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商品レビュー

4.4

8件のお客様レビュー

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2023/06/24

著者の小説の向こう側にある、旅や移住に焦点を当てた一冊。帯広に自らのルーツを持ち、東京に住み、沖縄やギリシャに移住し、そしてあちこち旅しながら著者が考えたことは、多少長い海外暮らしをした者にとっては腑に落ちるところが多い。「よその国にいる」時の無責任な解放感とか、知らない土地は知...

著者の小説の向こう側にある、旅や移住に焦点を当てた一冊。帯広に自らのルーツを持ち、東京に住み、沖縄やギリシャに移住し、そしてあちこち旅しながら著者が考えたことは、多少長い海外暮らしをした者にとっては腑に落ちるところが多い。「よその国にいる」時の無責任な解放感とか、知らない土地は知っている土地よりよく見える、自分の楽園幻想を仮託した異郷だ、という感覚、そしてそこはかとない後ろめたさとか、これを表現する時の罪悪感とか。 国内外を問わず、国境、県境がある限り、移動した先には別の文化や別の行政の囲みの中で生まれた別の空気があり、それに育まれた人々がいるから、移動すれば一定の「侵入」が結果としてあるのは仕方ない。でもこの侵入という概念は、人間が後から地図上に引いた線を前提にしているわけで、現状、ボーダーがあるからこれを規制する法に従って移動するわけだけれど、本来は地球上のヒトの移動に過ぎない。知らないところを知りたい、見たい、と行動する時にこれに罪悪感が伴うのは、やはり移動先の土地や人々に対する敬意よりもこちら側の好奇心が勝ってしまう時。ノマドとしては、著者の言葉をかみしめ、自戒しながら”移動”したいと思う。

Posted by ブクログ

2023/04/29

札幌のゲストハウスに置いてあって、手に取る。その後、図書館で借りて読む。 池澤さんの旅や移住に関する文章を集めていて、その来し方をたどることができる。 最近、旅に出る機会を貴重に思うようになったからか、今になって彼の言葉の意味を考える事が多いと思った。写真も多く、手元に置いておい...

札幌のゲストハウスに置いてあって、手に取る。その後、図書館で借りて読む。 池澤さんの旅や移住に関する文章を集めていて、その来し方をたどることができる。 最近、旅に出る機会を貴重に思うようになったからか、今になって彼の言葉の意味を考える事が多いと思った。写真も多く、手元に置いておいてもよいかと思った一冊。

Posted by ブクログ

2022/01/16

スタンダールが自分で選んで刻ませた墓碑銘が「アッリゴ・ベール、ミラノ人。生きた、書いた、愛した」であったことは広く知られている。(略)ぼくならば「生きた、書いた、愛した」の他にどうしても「読んだ、旅した」が加わる。(245p) そういう池澤夏樹だから、本書を紐解いた。結局私の人...

スタンダールが自分で選んで刻ませた墓碑銘が「アッリゴ・ベール、ミラノ人。生きた、書いた、愛した」であったことは広く知られている。(略)ぼくならば「生きた、書いた、愛した」の他にどうしても「読んだ、旅した」が加わる。(245p) そういう池澤夏樹だから、本書を紐解いた。結局私の人生も、大学4年間のほかは岡山を離れたことはないけど、魂は池澤夏樹に近い。ギリシャにしろ、沖縄にしろ、フランスにしろ、行ってみないとわからないことは多い。でも基本として移住者にはなれない。池澤夏樹は徹底しているから5年ほどは住んでみるけど、やがて気がついたら他に移っている。 そうやって池澤夏樹は旅人として生きてきた。それが、一冊の中に縦横に語られている。 自分の本領は自分語りではなく、旅で得たことを語り広げることだと、池澤夏樹は若い時に規定した。だから材料を集める必要がある。山の頂点にある作品をモノにするためには、その基底部の広い土地を自分のものにしなくてはならない。それは物凄く理解できる。池澤夏樹に5年間の旅が必要だとしたら、凡人たる私には時々の旅含めて20-30年間の「世界」の見聞が必要だということだろう。 豊富な写真と自らの旅体験を解説したインタビューとエッセイ、他者の批評、好きな旅本、旅映画、旅音楽の短評、著作ガイドを載せる。また、自分語りはしないが、唯一の例外として幸せだった6歳までの帯広体験を新聞連載としてまとめた文章も載せている。 以下は、インタビューの一部を抜粋して、以上に書いたこともう少し具体化する。 ⚫︎僕の場合は、最初から飛行機の旅。シベリア鉄道ではないんです。安くてもホテルに泊まる旅でしたから、前にも言ったように、旅を目的にしない。旅先で見たものが大切なんであって、旅はその手段でしかないんです。(略)行かなければ見えないものはあるし、それを見なければ仕事にならない‥‥だから行くんです。(略)取材の旅でも、必ず見つかるものを取ってくることを取材とは言わないんです。もう少し越えていかないとわからない。駄目かもしれない範囲が普通のジャーナリストや作家の取材よりももう少し広くて、ダメでもともともある程度見込んでおかないと、予定したものしか見ないで帰ってくることになる。(75p) ⚫︎「池澤さんは還暦の前に新たなステージに移られた。そのエネルギーは、やはり作家としての挑戦として受け止めていいのでしょうか」 ‥‥全然違います。この商売は仕込みに時間がかかるんです。ここまでくるのに、どうやったって50年はかかるんです。天才は別ですよ。ぼくはたたき上げですから(笑)。何かの素質はあったと思いますが、ぼく程度の素質だけでは何もできない。人にとって意味あることを言うためには、土台を作らなければならない。それには時間がかかるんです。ピラミッドの斜面の角度が変えられないとしたら、高くするには底の幅を広げないといけない。ですから、まだ三合目。(78p) ⚫︎「『パレオマニア』の取材の旅はどうだったんでしょうか」 ‥‥時間と労力が大変でした。一回の取材で2ヶ月分書くわけです。一回の取材は2週間かかります。年の四分の1は旅の空という暮らしが実質3年から4年かかりました。新聞連載と重なったときは、休載していました。(略)(知識は)走りながら勉強するの。みんな一夜漬け。ロンドンに行って博物館を見る。これを何度もしました。基本的には毎回ロンドン発の旅の形をとっています。まさか韓国に行くのにロンドン発にはしなかったけど。大英博物館を見て回って、気に入ったものを見つけて、それをデジタルカメラで撮影する。博物館の中は三脚さえ使わなければ、撮影は自由で、ストロボも大丈夫なんです。だから、ちょっと気になったものは全部撮る。物を撮ったらその説明プレートも撮る。そうしないと、後で何が何かわからなくなるから。それをその日のうちにコンピュータに取り込んで、タイトルをつけながらぼくなりのカタログをつくるわけです。その中から気に入ったものを一点選び、それが、どこでできたかを調べる。大英博物館のブックショップが非常に役立ちました。あれだけ本が揃っていますから。トランクいっぱいの資料を買って帰る。という旅の繰り返しでした。(略)僕の旅は、移動の体験が三分の一、遺跡を見るのが三分の一、後は考えること。印象より一歩踏み込んだ、今まで誰もやってこなかった旅だったと思います。実際には、行く先々の大半は観光地で、旅としては楽なんですが、その割に普通の人が見過ごしているところまで踏み込んで見ていけば、意味のある旅になる。(90p) ←『パレオマニア 大英博物館からの13の旅』は買って読むことに決めた。パレオマニアとは、古代狂の意。

Posted by ブクログ

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