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千年樹

荻原浩【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/集英社
発売年月日 2007/03/24
JAN 9784087748505

千年樹

¥110

商品レビュー

3.5

60件のお客様レビュー

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2023/07/18

自分が人の名前を覚えながら読むのが苦手なので、この人は以前にも?と考えながらでした。 いわくつきというか、おどろおどろしい樹だと思わされました。 個人的には、梢の呼ぶ声、の最後がびっくりでした。

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2021/06/24

東下りの国司が襲われ、妻子と山中を逃げる。そこへ、くすの実が落ちてきて……ここから始まる8つの連作短編集。 いじめに遭う中学生の雅也。 木の下にタイムカプセルを埋めようとしてガラス瓶を見つける園児たち。 若くして遊郭に売られた娘、きよが好きになった男との顛末。 城勤めの台所組であ...

東下りの国司が襲われ、妻子と山中を逃げる。そこへ、くすの実が落ちてきて……ここから始まる8つの連作短編集。 いじめに遭う中学生の雅也。 木の下にタイムカプセルを埋めようとしてガラス瓶を見つける園児たち。 若くして遊郭に売られた娘、きよが好きになった男との顛末。 城勤めの台所組でありながら、切腹を迫られる武士の忠乃介。 産まれた子供が女の子だったからと、舅や姑からなじられるトミ。 祖母が戦時中に受け取った手紙を見つけた孫娘。 どの短編も、現代と昔を行き来する2つのエピソードで語られます。いつの時代も、大きな大きな、樹齢千年と言われるくすの木は、ただそこにあり、寿命の短い人間のささやかな人生を見つめています。 特に昔の時代のものは、辛く悲しいお話が多かったなぁ。 こんな時代に生まれていたら辛いなぁ…と思いつつ…もし、生まれ変わりというものがあるのなら、忘れているだけで、自分もその時代にいたのかもしれない?そんな風にも感じます。 何か解決や結論があるというのではなく、ただただ交錯してゆく人々の、長い長い時代を超えたお話たちでした。 植物に比べたら、こんなに短いちっぽけな私たちの人生…でも、必死なのになぁ…なんて思いました。 私としては「バァバの石段」が、荻原さんらしいホッコリ感があり、ちょっと自分のなかではホッとして涙が出ました。

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2021/02/06

千年の寿命を持つクスノキと人をめぐる8章の連作短編集。 1章それぞれの話の中に過去と現在、時代を超えて交錯する2つの話があるので、1冊で16話を読んだよう。 千年前クスノキ誕生の物語から、昔の人たちの話、クスノキの傍らのことり幼稚園の園児たちの話、その園児の成長した話と、話は次々...

千年の寿命を持つクスノキと人をめぐる8章の連作短編集。 1章それぞれの話の中に過去と現在、時代を超えて交錯する2つの話があるので、1冊で16話を読んだよう。 千年前クスノキ誕生の物語から、昔の人たちの話、クスノキの傍らのことり幼稚園の園児たちの話、その園児の成長した話と、話は次々繋がっていく。 変わらない千年樹と変わっていく人の営み。けれど昔も今も人の心は変わらない。 怖い話も、哀しい話、厳しい話が多かったが、千年を生きるクスノキからしたら、人の喜びも哀しみも業も禍も一瞬の出来事だろう。 クスノキが導いた訳ではないのに、人は千年樹に引き付けられるように、物語は形を変えて繰り返される。 それもクスノキの誕生の因果がその後の物語を導く力を持ってしまったのか。 余りにつらい話を淡々と描いたのは、クスノキの目線だったのだろうか。 つらい読後感なのに、なぜか心に残る。

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