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響きと怒り(下)
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響きと怒り(下)
¥825
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
津村の読み直し世界文学の1冊。ほとんどが情景描写と会話である。太字の箇所も上巻ほど多くない。100年前のことなので、黒人が使用人となっているというパターン化として描かれている。
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- ネタバレ
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改めて、上巻のぐるぐる混沌とした文章がこの本の大きな魅力の1つだと思った。 付録読んでクエンティン好きだなーと痛感。キャディのことは、家の象徴として愛してる。でも死期を遅らせたのは先祖じゃなくて弟のベンジャミンのため、っていう。この危うい純粋さ、繊細さがたまらない。そしてその美しさを、文体が底上げしてる。これぞ退廃美。 しかし、ジェイソンは面倒ごとを引き受けすぎてひねくれた感がすごい。母親も言葉では一番大切、って言ってるけどいや嘘でしょう、と言いたくなる仕打ちしてる。母親は自分大好き人間なんだなあ、ってことがよくわかる。ジェイソン、よくそんなに頑張れたよね、尊敬する。没落の悪い側面を一身に背負ってる感じでひたすら不憫。 クエンティンとジェイソンを対比と捉えたら、最後に示されたキャディの消息にも意味があるような気がしてきた。彼女が“家”の象徴だとすると、違う場所で生き続けてる、っていう示唆?体裁は悪いかもしれないけど、綺麗な富ってそもそもないと思うんだよね。キャディはすごく現実的に栄えてる気がする。彼女が現実なら、ベンジャミンはまさに幻想世界の住人だし。 あー考察本読もうかな。
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第一章を読み終えることができるかどうかが、本書を読了することができるかどううかを決めるだろう。人間の意識の流れをリアルに文章化するという試みであり、これほど読みいくい文章を他に知らない。頁内で数回という頻度で時代と場面が変換する。巻末の場面転換表と解説を見ながらでなくては全く理解...
第一章を読み終えることができるかどうかが、本書を読了することができるかどううかを決めるだろう。人間の意識の流れをリアルに文章化するという試みであり、これほど読みいくい文章を他に知らない。頁内で数回という頻度で時代と場面が変換する。巻末の場面転換表と解説を見ながらでなくては全く理解できないと思う。しかし、この第一章こそが本書の最重要部分であることが読了後にわかる。 二章以降は、「アブサロム、アブサロム!」「八月の光」に比べると非常に読みやすい。これは原文がわかりやすいのか、翻訳がうまいのかはわからない。個人的には、代表作三作では「八月の光」が一番好きだが、本書も傑作だと思う。
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