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テレポーテーション
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テレポーテーション
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2006年刊。 タイトルのトンデモ臭さと間逆な真面目本である。 量子力学誕生から展開し、この量子力学を基礎とする情報転位、さらに量子コンピュータや量子ネットワークの現代の概要を解説しつつ、情報が空間転位するという意味でのテレポーテーションのさわりに言及していく。 量子力学の議論の過程を時代順に紹介していくのはありがたい。特にアインシュタインが理論的に突き崩そうと問題提起する中、偉大な研究者に対しボーアが懸命に防衛を図る。この切磋琢磨は良いなぁと。 とはいえ量子力学の発想についていけても、そのメカニズムはイメージしづらい。もちろん、数式のない本書では、私のような物理学や数学を非専攻の門外漢には有り難いはずなのだが…。 ところで、本書で展開する量子コンピュータの件は、量子力学・量子テレポーテーションに関する、現在の工学的到達点における具体的実例というべきものと感じられたところ。 なお、微視的に確率論的振る舞うことを前提とする量子力学だが、それらが多数集合し関係性を持ち合うことで確率的振る舞いが消滅し、物質として固定化する。 あらゆる系が相互作用することで量子的な可能性が微視世界からはじき出され固定化する。安定安心でき、馴染みある古典的世界が生成される。 量子力学と可視的な現実世界とをつなぐ、この説明には唸らされた。
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