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ディア・ピョンヤン
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ディア・ピョンヤン
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映画は、作者(監督)ヤン・ヨンヒさんのアポジ(父)のドキュメンタリだが、この本は、ヤンさん本人が主役であり、彼女の体験や感じた事が、素直に書かれている。 今まで在日コリアンに対して、感情移入してない自分に気づかされた。近くに朝鮮学校がありながらも、あまり感心を持たなかった自分が...
映画は、作者(監督)ヤン・ヨンヒさんのアポジ(父)のドキュメンタリだが、この本は、ヤンさん本人が主役であり、彼女の体験や感じた事が、素直に書かれている。 今まで在日コリアンに対して、感情移入してない自分に気づかされた。近くに朝鮮学校がありながらも、あまり感心を持たなかった自分がいた。そんな無関心さは、無知から来ている事にも気づかされた。 総連で働いている父を持ち、様々な葛藤を体験するヤンさん。彼女の体験を通して、在日コリアン(特に朝鮮籍)の生活や、想像が難しいピョンヤンの状況が見えてきた。ピョンヤン、思った以上に自由なんだな、と言うのが正直な感想である。それは知らないが故に、ピョンヤンを、全てを制限されている都市と決めつけていたからだと思う。 そして朝鮮問題に留まらず、ヤンさんの家族愛、いや、ヤンさん達の家族愛に強く影響された。在日コリアンにとって、失ってしまったものは沢山あると思うが、日本人が失ってしまったものを持っている。そんな意味で、お互いの更なる交流はとても意義があるはずだと思う。 最後に、サブタイトル“家族は離れたらアカンのや”は、ヤンさんの苦しみであり、結論でもあると思う。家族愛の本としても、朝鮮入門書としても、とっても読みやすい、お薦めの本である。
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現在、『愛しきソナ』が公開されているドキュメンタリー映画監督の自叙伝的な手記です。彼女とその家族の生涯に民族や国境というものを思わずにはいられません。 今、この記事を書いている段階では彼女が監督したディア・ピョンヤンの映画版のDVDが手に入らないので、残念ながらこの本を見ただけ...
現在、『愛しきソナ』が公開されているドキュメンタリー映画監督の自叙伝的な手記です。彼女とその家族の生涯に民族や国境というものを思わずにはいられません。 今、この記事を書いている段階では彼女が監督したディア・ピョンヤンの映画版のDVDが手に入らないので、残念ながらこの本を見ただけの状態で記事を書かせていただきます。現在、彼女の姪を主人公に据えた『愛しきソナ』が公開されていて、これもおそらく僕が住んでいるところでは確実に公開されることがないであろうと思われるので、運がよければレンタルビデオ店に並ぶことでしょう。その日が来ることをただひたすら祈ることにします。 この本は映画「ディア・ピョンヤン」をノベライズしたというよりもおそらく、彼女の自伝的な要素が色濃く反映されている、と解釈して読ませていただきました。一読しての感想は、コリアンにそのルーツがある人たちは一人ひとりが違う『物語』を持って生きているのだ、ということでした。作者も例外ではなく、上の兄三人が朝鮮総連の幹部である父親によって北朝鮮に送られ、日本に残った彼女も、父親の思想や信条を理解できないまま、朝鮮大学校で演劇三昧の学生生活を送り、一度教師になり結婚もしますが、離婚して、ラジオパーソナリティーなどを経験し、ニューヨークに渡米することになります。そんな彼女のバイタリティーのすごさに驚きました。 しかし当時彼女は北朝鮮に国籍があったので、そういうところにからむ諸問題が僕には想像もつかないものがありました。そして北朝鮮に住む兄たちと、日本に住む父と母、その家族を冷静に見つめる後半部が非常に興味深く読めました。彼女の描いているのは家族の問題なので、芥川賞作家の柳美里さんとぜひ対談をしていただきたく思っているのですが、それが実現するのはどうやらまだまだ時間がかかりそうです。
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