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イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ 光文社古典新訳文庫

レフ・ニコラエヴィチトルストイ【著】, 望月哲男【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/光文社
発売年月日 2006/10/20
JAN 9784334751098

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イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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商品レビュー

4.2

41件のお客様レビュー

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2024/04/14

▼えぐいです。トルストイさん。 ▼「イワン・イリイチの死」は、俗物の役人(貴族なんだっけな)が結婚して働いて子供もできて出世もするけど中年?初老?で病を得て死ぬ。なんだけどこの人がもう、なんのためにどう生きてきたのか、人生が絶望至極の中で病にもだえ苦しむ姿が、もう圧巻‥‥。実に...

▼えぐいです。トルストイさん。 ▼「イワン・イリイチの死」は、俗物の役人(貴族なんだっけな)が結婚して働いて子供もできて出世もするけど中年?初老?で病を得て死ぬ。なんだけどこの人がもう、なんのためにどう生きてきたのか、人生が絶望至極の中で病にもだえ苦しむ姿が、もう圧巻‥‥。実にひやりとじめっと冷たくて絶望的な強烈さと突き放したユーモアに包まれる衝撃。 ▼「クロイツェル・ソナタ」要するに「嫉妬の余り妻を殺害しちゃった男の回想物語」なんです。19世紀?20世紀初頭?のロシア社会のなかで、この人は別段死刑にならずに数年して社会復帰している。そして、たまたま列車で乗り合わせた若者が、知識ゼロから彼の回想を聴く、という趣向。 ▼嫉妬に心さいなまれ、壊れていく人格の描写がすごくって・・・。ふっと思い出したのは別の本の以下のやりとり。 「私は人を殺すような人間ではありません!」 「たれだってそうだ。最初の殺人を犯すまでは」 (薔薇の名前だったか?) ▼比較すれば、当たり前なんですけれど「戦争と平和」にはかないません。「アンナ・カレーニナ」だって相当にレベルが違います。それにしても強烈な中編ではあって、トルストイっていう人も中年期に代表作書いちゃったから、老年期の創作っていうのは一種もどかしさもありながらも、それでもやっぱり力はあるんだなあ…と思い知りました。

Posted by ブクログ

2024/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『イワン・イリイチの死』が特に好きだった。 私もとある病気で、この苦しみから逃れられるくらいなら死んだっていいって思うくらいのお腹の痛みに苦しんだことがあるので、イワン・イリイチの苦しみの描写はとても共感できた。 病気になると、周りは最初は心配してくれていても、そのうちこの嫁のように疎ましく思ったり病気になったことや苦しんでいることが他人への当て付けなんじゃないかと思われたりすることは本当にあるし、病気のせいで周りを暗い気持ちに引きずり込んでしまうこともよくあることだと思う。 自分の人生は間違いだらけだったんじゃないか、こんな時に甘えることができるのは使用人だけなのかとか、なぜ自分だけがこんなに苦しまなければいけないのかとか…読んでいてすごく苦しかった。 解説にもあるけど、恐れ→拒絶→怒り→戦い→絶望→鬱→受け入れという段階を踏むのも共感できた。 最後に死を目前にして、「なんと歓ばしいことか!」「死は終わった」「もはや死はない」という場面があるけど、本当にそうだと思う。 恐ろしいのは死自体ではなくてその瞬間に辿りつくまでの痛み苦しみを乗り越えるところだと私は思っているので、やっと全てにケリがつくと悟った段階でもうそれは死ではなくて救いや安堵だったのではないかなと思う。 『かつて光があり、今は闇がある』という部分も好き。 『クロイツェル・ソナタ』に関しては、一言で言うとなんだこの男……って話。 汽車の中でたまたま相席になった男が、いや実は自分は妻を殺してましてね……と話し出す、というとサスペンスのようだけど、実際は性愛についてみたいな部分が多くてちょっとうんざりした。 性欲に支配されすぎたおじさんにしかみえなかった。性欲がすべての中心すぎる。 ここまで人間て性欲だけで動いてるの!?って絶望しそうになるほど性欲のことばっか考えてる。 これは禁欲の大事さを訴えたかったのかな……? 女を人間とも思わないような思想をずっと聞かされるのでだいぶしんどいけど、やっぱり小説としてはうまいのかなと思う。 嫌だななんだよこのおじさん……と思いながら一気に読めた。 読後クロイツェル・ソナタを聴いてみた。 主人公が言わんとしてることはなんとなくわかった。

Posted by ブクログ

2024/02/12

昨年夏にみた映画「生きる」カズオ・イシグロ版がとても良くて気に入る→お正月にそのオリジナルである、黒澤明の「生きる」を見る。なんかすごい話だな、志村喬の目の演技すごいな…。これの元になった小説があるんだ、しかもトルストイなのか→この本に辿り着く。 こんな流れで読み始めた。 トル...

昨年夏にみた映画「生きる」カズオ・イシグロ版がとても良くて気に入る→お正月にそのオリジナルである、黒澤明の「生きる」を見る。なんかすごい話だな、志村喬の目の演技すごいな…。これの元になった小説があるんだ、しかもトルストイなのか→この本に辿り着く。 こんな流れで読み始めた。 トルストイは実ははじめて読んだ。 戦争と平和、アンナ・カレーニナ。 ドストエフスキーと並ぶ長大重厚露文作家である。 私は長大も重厚も得意ではなく、読めた露文は、ツルゲーネフ(でももう忘れた)、チェーホフ(同じく)、プーシキン(面白かった)くらい。 本書はトルストイの後期の中編が二本という構成。 ◯イワン・イリイチの死 倒叙スタイル。ひどい葬式だなと思うも、イワンの人生パートに入ると面白くて目が離せなくなる。 結婚って、妻に子供が生まれることって、男にはこんなふうに見えるのか、さすがに今どきこんな考えの人はいないだろうけど身勝手150%でいろいろ不快。 でも、死というものを描くもろもろがとても手が込んでいて、面白かった。 死を前にした世界には、有無を言わせぬ迫力がある。 というか、映画と全然違うのね?! 公園もブランコも出てこないぞ。 ◯クロイツェル・ソナタ これも倒叙。列車という舞台装置が楽しい。 男女のもつれ、恋愛、結婚とは。謎のじいさんの告白。 みんなをドン引きさせたその発言の真意は。 というところから始まる、やはり現代とは倫理観の違いすぎる結婚すれからし物語。 幼稚で身勝手な男の論理にムカムカと腹が立つし、情けなくてなんだか泣けてくる。 でもやはり話はすごく上手い。こまかなボタンの掛け違い、ちょっとした関係改善と、またケンカ。 あー、あるある、と読者を納得させる力がある。 印象的だったのは、 p294 《妻ですか?そう、妻はいったい何者だったのでしょう?彼女は神秘です。昔も今もね。私には彼女が分かりません。私が知っているのは、動物としての彼女だけです。でも動物を押さえつけるなんてことはどうしたって不可能だし、またそれで当たり前なのですから。》 女をこんなに他者だと思ってるんだな。 その感覚が怖すぎる。 クロイツェル・ソナタはタイトルのとおり、音楽とその作用が物語のキイ。 いったいどんな曲だろうと思っていると、この本を読み終えた翌朝、ラジオ音楽の泉でベートーヴェンのクロイツェル・ソナタが掛かってびっくり。 こんな曲かあ、たしかに狂おしい。

Posted by ブクログ

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