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人生を完全にダメにするための11のレッスン

ドミニクノゲーズ(著者), 高遠弘美(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社/青土社
発売年月日 2005/11/30
JAN 9784791762460

人生を完全にダメにするための11のレッスン

¥220

商品レビュー

4.7

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2015/07/29

真に失敗した人生を送るのは実はすこぶる難しい。常に何かしらの理由があって本人だけでなく他人からも一部は成功した人生だと思われてしまうからだ。 失敗した人生、真の意味で失敗した人生というのは代償のない人生すなわちどこにもすがりつく枝のない人生でなくてはならない。 第一に不幸な人...

真に失敗した人生を送るのは実はすこぶる難しい。常に何かしらの理由があって本人だけでなく他人からも一部は成功した人生だと思われてしまうからだ。 失敗した人生、真の意味で失敗した人生というのは代償のない人生すなわちどこにもすがりつく枝のない人生でなくてはならない。 第一に不幸な人生、第二に不幸にすぎない人生 絶え間ない苦痛と頻度と強度においてある程度の範囲を超えることのない人生。さもないと単なる失敗を超えてもっと上の段階、殉教とか悲劇を目指して方向転換してしまう。 それは尊敬に値する人生なので不幸な人生と両立しない。 下手するとあなたは人生を得意に思い、内心の喜びを感じるかもしれない。のみならず、陳腐な成功を得た人生がそうであるように他人の嫉妬を買うこともある。 過剰な不幸は不幸の息の根を止める。災難を笑い飛ばし、信念に陶酔して苦痛を楽しむようになる。ダメな人生とは笑いとも楽しみとも馴染まない。真にダメな人生はどこまでも陰鬱で味気ない時間を過ごさなくてはならない。 見返りも快楽もない。ドンキホーテは真にダメな人間でない。不幸が何の役にも立たないことが重要だ。実りない不幸、災い転じて不幸となっちゃだめ。 幸福に生きるために身を隠して生きることができる人は稀。ましてや不幸に生きるために身を隠して生きることができるものの数はさらに少ない。失敗とは他人の価値観の元でなく、なんらかの目的を持っていてそれが失敗したというかすかな意識。 失敗最低限ラインに届いた人間とは? 人生はどのみちダメになるものなのだからグズグズしたり愚痴ばかりこぼしたり中途半端で満足してはいけない。人生を完全にダメにするよう努めることが必要。 一番いいのはパラノイアすなわち猜疑心の塊になること。1人不幸になるにはこれがもっとも確実。 1、至る所に意味がある 2、その意味なるものはこちらに敵意を持っている 世界の多くは特別な意味を持たずただそこにあるが。パラノイアを支えているのは病的な合理主義。因果律を原則とする病理。偶然や符号などというものは存在せず、あるのは策謀と表には見えないマキャベリズム、宇宙規模の陰謀。 若い時はクソ野郎、歳をとったらクソジジイに。 口に出すことはすること。人が突然自分の言動を一致させようとしたらどんなにおぞましい混乱と無秩序が到来するだろうか。 ジャンジャック、新エロイーズ 「実際に手に入れると欲しいと願っていた時よりも楽しみは少ない。幸福になるまでだけが真に幸せなのだ」 人は幸福になるとたちまち不幸になる。欲望とはすなわち幸福のしるし。もはや何も持たなくなったものに災いあれ。 恋愛で不幸になる方法 フェドー「引っ込められた手」 相手があまりに美しくてすごすごと退却。ライバルは掃いて捨てるほどいるだろう。 もし不幸にもあなたが生まれつきの美に恵まれているならば2週間ですり減らすか限りなく醜くなるよう努力すべき。相手のご機嫌を伺う時にはとことん道化にならなくてはいけない。とことん笑いものに。道化といっても冷淡でそっぽを向かれる救いなき道化に。 作家なら 若さが取り柄の茶番も出花で選考委員に気に入られた時もあったけれどそんな特典もさようなら。寛大な扱いもさようなら。夢もさようなら。 あなたの本の出版は出版社に栄光をもたらすものでこそあれ、相手がお情けであなたに恵んでくれるものではない。いつもかりかり神経を苛立たせていること。 愛人(男女問わず) 著者は一筋縄ではいかない。屈辱に耐える力は無限である。 研究者なら 研究テーマはだれも興味を持たない滑稽なものを選ぶこと。 「諸世紀に渡る雨の歴史」など 方法論 - 情報の真偽を決して確かめない - 相矛盾するデータに直面したら適当に選ぶか全てを統合する -出典を明かさない 平和で失敗する タリオンの法を実践する 敵を絶えず侮辱する 自分の方が強いからといって敵に手を差し伸べない 自分の方が弱いからといって非暴力を実践しない 陰険な行為、見当違いのテロを盛んに行う 敵が神経質心身症の時は投げ石で。子供は最前線に。死者が出たらマスコミ受けするからである。 論理を一般化する。 自殺で失敗する 失敗した自殺だけが失敗をモットーとする者にとって認められる自殺 ブラックユーモアと皮肉の書。 Le retour de l'espérance Immoralité suivi d'un dictionnaire de l'amour Cadeaux de Noël Aimable quoique fermés proposition pour une politique modeste L'homme de l'humour 単一価値観に支配された文化への警笛。 面白かった。

Posted by ブクログ

2015/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世に成功する秘訣を説く啓蒙本・ハウツー本は数多あれど、本書はいかに人生に失敗するかを考察する一冊。 人生に失敗する、と言ってもあまりに悲劇的な人生はその人生に意味と栄光を与えてしまうもので、真綿で首を絞めるような苦しみをいかに長い間持続させ、苦しみのうちに人生を終えるかが肝心。 "ストア派の阿呆どもの言うことを絶対に聞いてはならない"とか、オデュッセイアのパロディなど、著者の豊かな教養を下地にしたネタが随所に散りばめられていて大笑いしました。 ちょっと真面目に捉えると、著者は成功することばかりに狂奔する人生に疑問符を投げかけているよう。誰もが人生に成功できるわけではないし、成功者と目される人だって、実は挫折感を抱いていたり…。よほどナルチシズムに溺れた人でない限り、多かれ少なかれ失敗と無縁の人はいないでしょう。そんな"失敗学"を笑いながら考えることのできる良書でした。 とはいえ、"テロで失敗する""オゾン層破壊に失敗する"など、過激なネタ満載。コンセンサスをものともしない著者の姿勢は痛快ですが、真面目な人は怒るかも(そういう人はそもそも本書を手にとりそうもないですが…)。ユーモアを解する人、人生を完全にダメにしたい人に限り本書をおススメします。 本書を反面教師にして、人生に成功する秘訣を引き出そうとしないように…。

Posted by ブクログ

2013/01/07

タイトルの通り、ダメ人生を送りたいと願う人向けのマニュアル本。 「人生失敗学入門」という宣伝に興味を引かれて、読んでみました。 真面目くさった口調で、(ん?)と思える事項がまとめられています。 楽しく笑ってハイおしまい、という、単純な内容かと思いましたが、そうではありませんでし...

タイトルの通り、ダメ人生を送りたいと願う人向けのマニュアル本。 「人生失敗学入門」という宣伝に興味を引かれて、読んでみました。 真面目くさった口調で、(ん?)と思える事項がまとめられています。 楽しく笑ってハイおしまい、という、単純な内容かと思いましたが、そうではありませんでした。 そうでなければ、人を煙に巻くような厭世論かとも思いましたが、こちらでもありませんでした。 (なるほどね)と思わせながら、時にくすりとさせ、また時には現実をひやりと思い返すような、なかなかウィットに富んだ内容。 訳者が「フランスでは熱狂的な支持を集めたベストセラー本ながら、日本でこの本がベストセラーになることはないかもしれない」と、あとがきに書いていました。 その理由は「日本は、依然として単一的価値観に支配された社会だから」。 確かに、ブラックすぎて笑えない箇所も多々あり、私から見ても、日本で受ける内容ではないと思います。 ただ、ヨーロッパの知識人に愛される内容だということには納得です。 例えば、基本原理の一つに「法律を事細かに遵守すること」とあります。 その補足として「人からバカにされ、時には一杯食わされ、阿呆と思われることは確実である」と。 これを笑える風土は、日本にはなさそうに思えますが、フランスではツボにはまる人が多いことでしょう。 「オゾン層破壊に失敗する」の補足に「時すでに遅し。」と書かれてあり、(痛烈だ~)と思いました。 「ダイエットとは、死刑執行人と死刑囚を一人の人間が兼ねる唯一の拷問である。いわば、不幸のセルフサービスである」など、確かにいい得て妙と思える言葉がちりばめられています。 生きる上で全く無駄な一冊という売りこみですが、なかなかどうして、書かれてあることを実践するのは、難しいもの。 つまり、人生を完全にダメにすることはかくも難しいことなのか、と読者は気付き、楽しく絶望する(?)ことになるのです。 時間をかけて読み、文の裏に潜んだアフォリズムや警告を読みとることが、極上の読書時間をもたらすものとなりそう。 訳者も指摘しているように、とことんダメ人間を推奨しているようでありながら、この本のどこにも自殺を提唱していないという点は、まさに失敗だらけの人生そのものも楽しく生きていこうという人生礼讃の姿勢から来るものだと感じました。 ちまたに星の数ほどある成功本からは一線を画したものなので、逆の視点からのおもしろみがあります。 ただ、西欧のシニカルさとウィットに満ちた本なので、かなりクセがあることを覚悟の上で読まれることをお勧めします。

Posted by ブクログ

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