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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新曜社 |
発売年月日 | 2003/03/31 |
JAN | 9784788508422 |
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神、人を喰う
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神、人を喰う
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商品レビュー
3.9
15件のお客様レビュー
神、の表れ方に対する考察の1つとして非常に興味深い一冊。 全部読んで本を閉じて表紙に目をやると… 神、人を喰う というタイトルは絶妙な表現であると思う。 、を置き換えるとしたらそこにどんな助詞が入るのか?と考えてしまう。
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かつて人身御供が行われていたとかいなかったというよりも、「どのようにして人身御供譚ができたのか」という視点で語られている。 人身御供について考えるにあたり、「神に捧げたものは神前から下げられ人々によって分けて食べられる」という視点が自分に全く欠けていたことに驚いた。神前に捧げたも...
かつて人身御供が行われていたとかいなかったというよりも、「どのようにして人身御供譚ができたのか」という視点で語られている。 人身御供について考えるにあたり、「神に捧げたものは神前から下げられ人々によって分けて食べられる」という視点が自分に全く欠けていたことに驚いた。神前に捧げたものが消えてなくなるということは、現在でも過去でも基本的には起こらないのだった。 著者は、人の形をした食べ物を供える等の行為について、むしろ後で氏子で分けて食べるという部分に注目し、人が神(の依り代)を食べてその威光を身につける「人が神を喰う」行為として位置付けている。これが書かれていることの全てではないが、ちょうどタイトルの真逆になっていたので面白かった。
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人身御供はあったのか、を考察した本。 前提として、人身御供と人柱は違う。人身御供は神様が食べる。人柱は人を殺すことで生じる呪力が目的。 神様に備えるために人間を犠牲にしたのか? そのような伝承がある祭りがあるが、それは事実か?なぜそのように伝えられているのか? ○東北では畑を荒...
人身御供はあったのか、を考察した本。 前提として、人身御供と人柱は違う。人身御供は神様が食べる。人柱は人を殺すことで生じる呪力が目的。 神様に備えるために人間を犠牲にしたのか? そのような伝承がある祭りがあるが、それは事実か?なぜそのように伝えられているのか? ○東北では畑を荒らす猪や狸を叩き殺して食べるということが結構あった。東北は「飢餓(けがち)」の風土とも呼ばれ、死と隣り合わせの生活をしていた。ので、動物を殺して食べられるという喜びと生命を犠牲にしているという負い目という相反する感情の中で生きてきた。 ○神人共食とは、神に捧げたものを共に食べるということは、神とともに食べるということ、さらに本源的には神を食べるということ。人と人とを結び付け同時に神と人を結び付ける行為→「食べる」という行為を通じて「神」と一体化するという宗教的な行為だった。 ○葛の諏訪神社では供え物が鹿→鮭→雑魚の変遷は、殺生の物忌みが重いものから軽いものへの変遷ではないだろうか。四足獣→二足鳥類→魚類で物忌みの期間が長い。 ○農耕儀礼と狩猟儀礼には密接な結びつきがある。鹿などを狩る行為は狩猟儀礼と思われがちだが、田畑を荒らす害獣に悩まされている農民の思いがそこにはあり、農民の中でも大切な儀礼となっている。三信遠地域の焼畑とともに模造獣と使った儀礼が今も行われているらしい。 ○成女式 12,3歳になった女性が村の特定の老人や仮親に「一人前の女性」にしてもらう処女破棄の通過儀礼がある。(神の食べ物に人を差し出すという伝承の背景になっているのではないかという考察) ○宮崎県の銀鏡神社(!)実在した神社の名前なんだ。 ○供犠論を通じて、柳田も中山も南方も、人を殺して犠牲にするということを昔のことではなく、今も己(人間という本能)の中に生き続ける暴力性と向き合うという姿勢が共通してみられる、と述べられている。法律の規制や社会の変容でやり方が変わっただけで人間の本質は大きくは変わっていないのかもしれない。 ○加藤玄智への反論に「神の御馳走」という表現が急に出たのは、彼自身が人身御供は人を犠牲(殺す)のではなく、「神の食べ物」となるからだと直感的に知っていたから。神に捧げたものを人間が食べる「直会」は突き詰めるとカニバリズムに結びつくことまで考えてあれほどの拒否感を出したのではないか。 この指摘には衝撃を受けた。
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