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テルミン ふしぎな電子楽器の誕生 ユーラシア・ブックレットNo.83

尾子洋一郎(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東洋書店/
発売年月日 2005/10/20
JAN 9784885955884

テルミン

¥495

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2018/12/22

 テルミンから遅れて、17年、すなわち1937年に、ソ連で最初のシンセサイザーが発明されたのである。発明者は技師である、エヴゲニー・アレクサンドロヴィチ・ムルジン。その楽器の名前は「ANS(アー・エヌ・エス)」。光と音楽の融合・統合を目指した作曲家、アレクサンドル・ニコラーエヴィ...

 テルミンから遅れて、17年、すなわち1937年に、ソ連で最初のシンセサイザーが発明されたのである。発明者は技師である、エヴゲニー・アレクサンドロヴィチ・ムルジン。その楽器の名前は「ANS(アー・エヌ・エス)」。光と音楽の融合・統合を目指した作曲家、アレクサンドル・ニコラーエヴィチ・スクリャービンの頭文字が子のシンセサイザーの名前の由来である。20年かけて改良された楽器は、1964〜71年の間にロシアの現代音楽作曲家たちによって用いられ、演奏が残されている。  ANSはこれ一台で音楽の「創造」、録音、再生ができるシンセサイザーである。この楽器の演奏法がテルミンの上をゆく奇抜なものであって、それを紹介したい。  この楽器は、音を出すには鍵盤を押しても意味がなく、透明なガラスに塗布された黒インクを削ることによって点、線、図形を描く(創造と録音)。作曲家はガラス板に音の心象風景を描き、その板をANSにセットし、鍵盤を押すと、板に描かれた図形に応じてインタラクティブに音を出すというものである(再生)。線を太く削ると音も応じて太くなり、和音を出すには複数の点を板に刻めばよい。この板に光を当てることで、削られた部分が明るくなり、直接光学的に、周波数発振器を操作するのである。72音の同時再生が可能だったといわれている。  作曲家にとっては、ガラス板は楽譜であり、オーケストラのスコアであったのだ。  神秘主義に傾倒していたスクリャービンにふさわしい、音と光の融合がANSによって実現されたのである。  (略)  このようにして最古の電子楽器テルミンと、ソ連初のシンセサイザーANSとを見てみると、いずれも、優劣つけがたい、まことに端倪すべからぬ奇天烈さ、奇抜さをもったものである。ロシアと呼ぶべきか、いやむしろソ連と言うべきか、呼び名をめぐって筆者が頭を抱える国は、よくもまぁこのような素っ頓狂な楽器を生んだものであると思わざるを得ない。ただ、確かに言えることは、ソ連になったからこれらの楽器が発明されたわけではなくて、帝政ロシア時代から蓄えられてきた文化というものがあったことは忘れてはならない。もちろんのこと、その背景には神秘主義の影響、未来派的思考という土壌があってこれらの楽器が誕生し、それと同時にスターリン、フルシチョフ、ブレジネフの時代があったことも考慮しなければならないだろう。このような楽器だけでなく、もちろんソ連時代にも、今日私たちが目にするような鍵盤付きのシンセサイザーもあって、それは「POLIVOKS」という名前で、和音が出せるシンセサイザーであることに驚くことよりもむしろ、軍事施設・軍需工場でシンセサイザーが作られていたという事に驚く。

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2012/08/27

個人的にはヒカシューのライブではじめて知ったテルミン。独特な演奏スタイルと音がずっと頭から離れませんでした。戦前のロシア生まれで、こんなに長い歴史があるなんて知りませんでした。それから今のシンセサイザーの大元になったということも。 テルミン博士が開発したから「テルミン」と呼ばれ...

個人的にはヒカシューのライブではじめて知ったテルミン。独特な演奏スタイルと音がずっと頭から離れませんでした。戦前のロシア生まれで、こんなに長い歴史があるなんて知りませんでした。それから今のシンセサイザーの大元になったということも。 テルミン博士が開発したから「テルミン」と呼ばれるようになったんですね。知らなかった。テルミンについて、歴史から演奏家、登場する映画、必聴の名盤までコンパクトにまとめられた一冊。いろいろテルミンにまつわる秘密も知ることができます。

Posted by ブクログ

2011/03/30

テルミンの入門書。その成り立ちから改良、発展を説明している、分かりやすい一冊です。 ユーラシアブックレットシリーズNp.83。このシリーズを読むのは初めてでしたが、薄いながらも 読み応えがあり、ほかの特集も気になりました。 ロシア出身のテルミン博士の一生について説明されています...

テルミンの入門書。その成り立ちから改良、発展を説明している、分かりやすい一冊です。 ユーラシアブックレットシリーズNp.83。このシリーズを読むのは初めてでしたが、薄いながらも 読み応えがあり、ほかの特集も気になりました。 ロシア出身のテルミン博士の一生について説明されています。 アメリカで大成功を収めた後、ロシアに送還され、そのままシベリア流刑となったという彼。 その後、盗聴器を発明し、ロシアにとって無くてはならない存在になると同時に、常に監視下に置かれる存在となった彼。 そのドラマチックな運命に驚きました。 映画「テルミン」も観てみたいものです。 また、テルミンをシンセサイザー開発に発展させたモーグ博士の紹介もされていました。 テルミンと一言で言っても、いくつか型があるものということも。 おもしろく読めました。今度、じっくりプロ演奏家の奏でるテルミンを聴いてみたいと思います。

Posted by ブクログ

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