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見切り千両
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見切り千両
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『見切り千両』。相場格言のなかでも屈指の名言とされるこの言葉ですが、この小説は主人公、丸井辰彦が自分の全てを奪った人間に対する復讐相場小説です。ただ、それだけに収まらぬ、スケールの大きさを感じました。 この本も結構面白かったです。内容はというと、相場を舞台にした復讐小説なんです...
『見切り千両』。相場格言のなかでも屈指の名言とされるこの言葉ですが、この小説は主人公、丸井辰彦が自分の全てを奪った人間に対する復讐相場小説です。ただ、それだけに収まらぬ、スケールの大きさを感じました。 この本も結構面白かったです。内容はというと、相場を舞台にした復讐小説なんですが、幼いころに相場師として名をはせた父親が急死して、身を寄せた叔父や祖父までもが古垣金之助という男に破産させられて自殺の憂き目に遭うというところからこの小説は始まっています。すべてを失った主人公の丸井辰彦が旧制中学時代に合百(株のノミ屋)の必勝法を編み出し、そこで稼いだ金をを更に相場にぶち込んで巨額の財産を作る姿。 そして、古垣金之助に淫猥なことを強要された果てに自殺に追い込まれる叔父の子供の姉と弟。それを知った丸井辰彦が彼に対して行った復讐の手段が読んでいて 『なるほどねぇ。こういうやり方もあるんだなぁ』 と思わずにはいられませんでした。そして、この作品の全編を貫く『見切り千両』という相場格言にのっとった行動哲学が胸のすく読後感を僕に残してくれました。 昔の相場がどういうものかを知りたい方はぜひ読んでいただきたいのですが、純粋に読み物としても楽しめるはずですよ。
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