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香田証生さんはなぜ殺されたのか
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香田証生さんはなぜ殺されたのか
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商品レビュー
2.8
7件のお客様レビュー
社会を騒然とさせた香田証生さんの事件が、どのような道筋を通って発生してしまったのかを、バックパッカーで有名な著者が実際に辿りながら考察している本。本書を読むまでは私も「この人(香田さん)はどうしてこんな危険な場所へわざわざ出向いたのだろう」と、あまり好意的な印象は持っていなかっ...
社会を騒然とさせた香田証生さんの事件が、どのような道筋を通って発生してしまったのかを、バックパッカーで有名な著者が実際に辿りながら考察している本。本書を読むまでは私も「この人(香田さん)はどうしてこんな危険な場所へわざわざ出向いたのだろう」と、あまり好意的な印象は持っていなかったが、筆者による彼が置かれていた環境とそこから生まれた精神状態の考察を読むにつれ、彼の気持ちを幾分かは理解できたような気がする。 周りの恵まれた学生と比べて年齢が高く、自由に使えるお金も少ない、「自分たちは金を落としていき、国のイメージを損なわないために守られている存在(ニュージーランドやイスラエルにて)」という感覚に苛まれ、最後には世界で今、何が起きているのかを自分の目で確かめたいという欲求に駆られてしまった・・・という、あくまで憶測の域を出ないものではあるが、尤もらしい考察がなされている。 一読して思ったことは、「今後いつ、同じような事が起きても決して不思議ではない」ということだ。筆者はこの旅を通して、「周りの友人とは世間話だけで語り合えない」、「周りからプレッシャーをかけられるが、自分で物事を決められない」という、やや旅行に依存している日本人達の事を思い出している。彼らの中から「本当の事」を知るために危険地帯へ行ってしまう事は、現に「イラクへ行ってくる」という書き込みが多くなされた旅行ノートからも既に分かってしまっている。 「迷路に入り込んでしまった若者たちに接すると、僕は、「どうしてそんなに急ぐのだろう」と呟きたくなってしまう」 「旅とはそういうものなのだ。確かな目的もなく、知らない国に分け行っていく。旅はそれでいいはずだ」 いくつもの国を旅してきた筆者からの言葉である。学生・社会人を問わず、いち早く結果が求められている現代社会では「何を甘えたことを」と言う人もいるかも知れない。けれども、誰もが経験する「自分は何者なのか」という答えを探すための一つの方法として、「旅に出ること」を咎められる人は果たしてどれだけいるのだろう。もしいるとしたら、心のどこかに彼らのことを羨ましく思う気持ちが隠れているのかもしれない、などと考えてしまった。 自分用キーワード カオサン(タイにある通り。バックパッカーが集う街であり、本書ではどこか心を病んだ日本人が集まっている場所のように描写されている) 魂(筆者が以前訪れたメキシコではミイラが観光名所となっており、理由を口にしたところ、「日本人はアメリカのプラグマティズムを受け入れてしまい、死んだら終わりと考えているようだがメキシコ人は違う。魂を大切にするため、それが抜けている死体やミイラは怖くない」と返ってきたという) ビーチサンダル(筆者曰く「貧乏旅行者の定番」であり、最初は丈夫な靴を履いていても、壊れるにつれどこでも買えるサンダルに落ち着くとのこと) 大使館(筆者曰く「バックパッカーから毛嫌いされる存在」。守ってくれる存在ではあるが、どこか冷たい態度をとるとのこと)
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こういうふうに書かれると、香田さんの気持ちわからなくはないけど、やっぱり無知って怖い…旅は自己責任と再確認。
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旅人成分0%な私には、違和感ゆんゆんな一冊でした。旅行作家がイラクで誘拐→殺害された一人の青年の足取りを追う記録。著者目線でこの当時の(そして今の)日本人に対し、大変な違和感や失望を感じているけど、実際国内でリアルタイムに事件を知り、報道を観ていた人間からすると、その気持ちが違和...
旅人成分0%な私には、違和感ゆんゆんな一冊でした。旅行作家がイラクで誘拐→殺害された一人の青年の足取りを追う記録。著者目線でこの当時の(そして今の)日本人に対し、大変な違和感や失望を感じているけど、実際国内でリアルタイムに事件を知り、報道を観ていた人間からすると、その気持ちが違和感。著者の推測でしかないフォローがあるけれど、少ない資金しかも初の貧乏旅行で、どうしてそんな無謀なことをしたのか、読んでて理解できませんでした。というか危険な地で、帰りのバス代すら尽きていたんじゃ、誘拐以前に力尽きてしまうのでは…?読んでいてかなりおっかなく思いました。事件に便乗した、著者の自己満足記にも思えてきましたよ。タイトルも違和感…というかこのタイトル、殺したのは国内の日本人になると思うのですが、眉を潜める不快な思いです。
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