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エンベディング
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商品レビュー
2.8
6件のお客様レビュー
SF。言語SF。ファーストコンタクト。 "embed"の意味は、埋める、埋め込む等。 アイディアが凄いというのは伝わるものの、この作品の分かりにくさは何なのか。 場面も視点も転々とし続け、登場人物も感情移入しづらい。 この作品が高く評価されているということが、...
SF。言語SF。ファーストコンタクト。 "embed"の意味は、埋める、埋め込む等。 アイディアが凄いというのは伝わるものの、この作品の分かりにくさは何なのか。 場面も視点も転々とし続け、登場人物も感情移入しづらい。 この作品が高く評価されているということが、自分には衝撃。 人によって世界の見え方が違う、ということを学びました。
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神保町ブックフェスティバルの国書刊行会ブースで購入。例年のことながら国書ブースに踊らされたうちの1冊w イアン・ワトスンといえば、『オルガスマシン』だが、本書は長編第1作目の邦訳。今読むと、些か古臭く感じる部分もあって、また、解説でやや批判的に書かれていることが本当だとするならば...
神保町ブックフェスティバルの国書刊行会ブースで購入。例年のことながら国書ブースに踊らされたうちの1冊w イアン・ワトスンといえば、『オルガスマシン』だが、本書は長編第1作目の邦訳。今読むと、些か古臭く感じる部分もあって、また、解説でやや批判的に書かれていることが本当だとするならば、本書刊行時点(2004年)で邦訳書が余り長く版を重ねなかったのも仕方がないのかな、という感じがする。但し、この、ある種の『古臭さ』というのは、今読むと逆に魅力になっていたりして(懐古趣味的なものではあるが)、何処かが復刊してくれたりしないかな〜とも思う。特に『オルガスマシン』はどっかが文庫化してもいいような気がするんだけど。河出文庫辺りに期待したいところ。
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この世界は言語で構成されている。しかし、われわれの言語には限界があり、多様にして壮麗な世界をとらえきれていない。ドラッグ体験を通じて、あるいは精神を病んでいる人々が見る、無際限な可能的世界の方が、むしろ本来的な世界なのであり、われわれは貧しい言語観が災いして、その芳醇な世界に触れ...
この世界は言語で構成されている。しかし、われわれの言語には限界があり、多様にして壮麗な世界をとらえきれていない。ドラッグ体験を通じて、あるいは精神を病んでいる人々が見る、無際限な可能的世界の方が、むしろ本来的な世界なのであり、われわれは貧しい言語観が災いして、その芳醇な世界に触れられないでいるのではないか。60~70年代に一世を風靡したドラッグ・カルチャー全盛期になら、人目を引いたアイデアではないか。 イアン・ワトソンは、多くの平面を共時的に併置し、同時進行する危機的状況を手際よく一本の筋に綯いあわせる。その主題になっているのが、表題でもある「埋め込み」(エンペディング)だ。イギリスの施設では、クリスが四人の子どもを「埋め込み型」言語環境の下に、他の環境とは隔絶して育てるという実験中である。ブラジルでは、やはり埋め込み型言語を持つアマゾンにある少数部族の研究をするピエールがいた。二人はアイリーンというクリスの妻によって繋がる友人である。 そのころ、アメリカのネヴァダ砂漠に宇宙人が飛来する。その交渉相手としてクリスが選ばれ、交渉の仲介者となる。宇宙人はコミュニケーション能力を研究するため、星間飛行の技術を提供する引きかえに地球人の脳のサンプルを採集する目的で地球に立ち寄ったのだ。 巨大ダムに水没しようとする少数部族、アメリカ産業資本と結託するブラジル政府に反対する勢力の武力蜂起、米ソ二大国の思惑とそれを暴露する中国のスパイ衛星網、そんな現実的世界の真ん中に人類をはるかに超える能力を持つエイリアンがやってくる。いかにもSFらしい発想だが、アイデアが空回りして拡散し、大事なところに焦点化しない憾みがある。レーモン・ルーセルの詩集『新アフリカの印象』をエンペディングのテキストにしたり、アマゾンの部族につたわる神話を語ったりする部分など、興味深い点もあるだけに惜しい気がする。
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