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散る。アウト

盛田隆二(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社/
発売年月日 2004/10/25
JAN 9784620106892

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商品レビュー

4

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2013/06/05

先物取引に手を出して借金まみれになり離婚、ホームレスに成り果てた37歳の耕平。契約結婚のため訪れたモンゴルの地で出会ったダワ。はじめは金のための書類上だけの夫婦のつもりだったが。

Posted by ブクログ

2011/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ごく普通に暮らして来た木崎耕平は、商品先物取引に手を出し多額の借金を背負う。仕事、家、家族を失い、路上生活者となった矢先に、ある男から偽装結婚の戸籍貸しという儲け話を持ちかけられる。 日比谷公園から始まり、モンゴル、ロシアと、逃れられない流れに流される耕平が辿りついた場所とは。 基本的に本はタイトルで買う、中を開きもせずに掴んで帰る派です。 ちゃんと会計してからですよ。 この作品は前情報、先入観なしに出会えた予想外ラッキー秀作。 ハード・ボイルド。 カテゴリに当てはめるならば、このジャンルになるのだろうが、独特のテンポ感や主人公の設定を考えると微妙にラインの斜め上を行くような気がする。 耕平と共に流され、章を読み進める度に感じ方は変化していき、完全に感情移入した後のラストは見事にchill outできる。 耕平という主人公の設定も絶妙で、巻き込まれた末に至る、というストーリーにはなっておらず、読んでいる自分ではない、耕平という男でなければエンディングまで辿りつけなかっただろうというギリギリのバランスで出来あがっている。 彼は銃の扱いに長けた私立探偵でもなく、咄嗟の機転で愛する者の危機を脱するスーパーヒーローでもない。精密機器の技術開発会社の元社員で、つい先日まで家庭のあった一般人である。 その経験や技術を駆使して大活躍することもないのだが、何故かこの男でなかったら・・・と唸ってしまう“バランス”があるのだ。 間違い無くハード・ボイルドなのだが、僅か1ヶ月足らずという短い期間の物語なのだが、長い長いロード・ムービーを観た後のような、安堵と悲しみで涙のこぼれてしまう読後感を与えてくれる不思議な作品。 流される、翻弄されるとはどういうことなのか。 そして、それに抗うはどういうことなのか。 失うことと、棄てることはどれだけ異なることなのか。 読む人によって様々なテーマが見つかりそう。 もしかすると、「地球の歩き方」のようなガイド・ブックにもなり得るかもしれない。 盛田隆二、その他の著書 ・ストリート・チルドレン ・リセット ・おいしい水 などなど。

Posted by ブクログ

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