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天皇の肖像 岩波現代文庫 学術76

多木浩二(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/
発売年月日 2002/01/16
JAN 9784006000769

天皇の肖像

¥550

商品レビュー

3

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2019/04/26

近代国家のなかの天皇という存在のありかたを、「御真影」とそれを取り巻くまなざしの分析を通して明らかにしている本です。 宮廷の内に身を置いていた明治天皇は、日本が西洋近代と直面するなかで、民衆の視線に対して姿を見せることが求められるようになり、キヨソーネによる肖像画をもとにしたそ...

近代国家のなかの天皇という存在のありかたを、「御真影」とそれを取り巻くまなざしの分析を通して明らかにしている本です。 宮廷の内に身を置いていた明治天皇は、日本が西洋近代と直面するなかで、民衆の視線に対して姿を見せることが求められるようになり、キヨソーネによる肖像画をもとにしたその写真が下付され、近代国家としての日本の統合に重要な役割を果たすようになっていきます。同時に著者は、前近代におけるメディアとしての錦絵、あるいは洋服や写真といった近代文明の利器が、こうした天皇をめぐる権力作用の織り成す空間のなかでどのような意義をもっていたのかということを解き明かしています。 やや結論が先行しているような印象もありますが、天皇の肖像というひとつの視点から近代国家としての日本のありかたを映し出す、興味深い内容だったように思います。

Posted by ブクログ

2011/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【概要・粗筋】 現代では考えられないが、民衆にとっては縁遠い存在であった。そこで、維新政府は「天皇の視覚化」することで、天皇制国家の確立を図る。本書は天皇の肖像、いわゆる「御真影」の生成、そして、その下付とその際に生じる儀礼の過程を通じて、日本社会がどのように変化していったかを明らかにする。 【感想】 もともと新書として発表されており、著者自身が「はじめに」で述べているように「驚くべき政治的歴史の物語り」とあるように、論証という意味ではやや弱い。 本書を読んではじめて知ったのが、肖像画(ポートレイト)と肖像(エフィジー)に区別がされていること。両者の違いは「ポートレイトは余計な背景も小道具も取り除いて、対象そのものに迫り、エフィジーは背景も小道具も使って、いかにもそれらしく見せる手法をとる(P126)」と述べられている。だから、御真影は肖像画ではなく、あくまで肖像ということになる。肖像という言葉は本書のタイトルで使われているから、両者を区別するのは重要。 写真という近代を代表するメディアが、前近代的とも云える天皇の聖性やそれを生み出すための儀式に使われたというのが、歴史の不思議な皮肉のように感じた。

Posted by ブクログ

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