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魔の山(下) 岩波文庫

トーマス・マン(著者), 関泰祐(訳者), 望月市恵(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2002/12/05
JAN 9784003243374

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商品レビュー

4.4

19件のお客様レビュー

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2023/08/07

長期滞在が続くハンス・カストルプは、ショーシャ夫人との出来事のあとも、様々な出会いと別れを重ねていく。 まぁ、本を手に取った時点でわかっている話(700ページ近い厚さ)ではあるが、下巻もとにかく長い(汗)。ストーリーそのものだけにしぼればもっと短くできそうなものだが、音楽(レコ...

長期滞在が続くハンス・カストルプは、ショーシャ夫人との出来事のあとも、様々な出会いと別れを重ねていく。 まぁ、本を手に取った時点でわかっている話(700ページ近い厚さ)ではあるが、下巻もとにかく長い(汗)。ストーリーそのものだけにしぼればもっと短くできそうなものだが、音楽(レコード)やオカルト(こっくりさん的な降霊術)などにハマる長々とした描写も含め、ダラダラと論争や語りが続くところに意味のある小説なんだと思う。 上巻以上に重要な出会いと別れが続き、単調であるはずのサナトリウム生活には話題が尽きない。多様な登場人物との触れ合いがこの小説の魅力だ。病いと死に隣り合わせのため、面白おかしいというわけにはいかないが、下界とは一線を画する環境であるゆえの人物描写が独特の味わいをみせている。 本書最大の山場はおそらく、第六章にある節「雪」だろう。スキーに出た雪山で吹雪におそわれたハンス・カストルプは、幻想的なビジョンを夢で見たあと、対照的な思想を持つセテムブリーニとナフタの論争を超越し、理性に代わって生と死の対立を超える「善意と愛」に目覚めていく。 後半でハンス・カストルプに大きな影響を及ぼすペーペルコルンが物語に活力を与えている。三角関係のようになってしまうショーシャ夫人との顛末も面白く、素直に楽しめた。 作中で「人生の厄介息子」と称されるハンス・カストルプの生き様は、現代でいえばニートに類似するものではあるまいか。訪問者が時間の感覚を失って居座ってしまう、この「魔法の山」での生活のなかで、生と死、社会と人生における広範なテーマを模索し学び、長いモラトリアム期間を過ごしたあと、現実に戻っていくというような、青年期におけるイニシエーション的な奥行きがあると思った。 映像的かつ詩的なラストの描写には大きな感動を覚えた。ああ、そうなるのか、と。 非情に深い感慨を受けた本作。一読では消化不良の部分もあるため、ぜひともいずれ新潮文庫版も読んでみたい。

Posted by ブクログ

2021/11/02

結局完全に理解できないまま読破してしまいました。けれども読み終わってから、心がゾワゾワするような感じがします。いつか再読したい作品です。

Posted by ブクログ

2020/02/11

この上下の大長編を読み終えて無言で本を閉じることはありえるだろうか。否、ありえない。私たちはニヒリズムという平行線から逃れ、ベルクホーフという山あいで生み出した綜合的な思想の萌芽を見逃さずにはいられない。退廃主義、退嬰的、ニヒリズム、ペシミズム、デカダンス、などありとあらゆる悲観...

この上下の大長編を読み終えて無言で本を閉じることはありえるだろうか。否、ありえない。私たちはニヒリズムという平行線から逃れ、ベルクホーフという山あいで生み出した綜合的な思想の萌芽を見逃さずにはいられない。退廃主義、退嬰的、ニヒリズム、ペシミズム、デカダンス、などありとあらゆる悲観主義を表す言葉は物語上では一定の水準に収まった一個人の叫びにすらならない悲壮の体現者の特徴にしかならず、どのような感受性も生まれない。それに対してトーマスマンはセテムブリーニの啓蒙主義とナフタの原初主義かつ神秘主義の思想がぶつかり合わせる弁償的論理でハンス・カストルプに新たな見地を植えつけた。その後ペーペルコルンの身に起きたことも含め、全てがバランスの上で螺旋状に向上する物語であったといえよう。それはある意味、たった一つの世界の定理を求める問いであるように思えた。

Posted by ブクログ

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